受話器を外した瞬間
頬をつたう涙
その温もりで
貴方を忘れることができない





このやるせなさと
この愛しさを
ぶつける場所が
見当たらない





切れてしまった
貴方との繋がり
誰が鋏を入れた訳でない
だから言葉にならないよ





石像のように
動けなくなった私
優しい雨が
空から降っているようで





未来に新しい貴方が
現れるだろうか
優しい雨に濡れながら
零れる涙の感覚が消えた





作/toshi