第一話 「突然の別れ」


美子とは幼稚園から小・中学に始まり、高校・大学までずっと共にしている。

美子と会うときって、いつも私がリードしている。

それが、あの時だけは、幾度も美子からアクション。

それも、夜中の12時に幾度となく携帯からの音信、

ただ、でると無言で切られた。

すかさず折り返すと、今度は出ない。

「もう! いったいどうなってんの?」

そして、そんなことを繰り返しながら

最初の美子の着信から、過ぎること一時間が経とうとしていた。

しばらく、合間があって、またまた携帯がなる。

「もしもーし」

・・・ん? こんどは 繋がってる。

「よしこぉ!」

「・・・」

「どうしたの?」

ようやく美子の声が聴こえる

「ごめん」

「ごめんはいいから どうしたの?」

電話ではラチがあきそうにないから、

会おうと決心して聞いてみると。

「今 どこ?」

「知美のマンションの公園にいるんだけど・・・」

「えー ずっと」

「うん」

ほんと あきれて一瞬 呆然とした。

「わかった 今からいくから 待ってて」

「・・・」

とにかく身づくろいして出かけた。


急いで公園に向かうとそこには、美子が公園のベンチに腰掛けていた。

「もう なんでちゃんと話してくれないの?」

「ごめん」

高速道路沿いのマンションだから、

夜中の1時とはいえ、車の騒音がうるさいけど、

この夜だけは、二人の静粛な時間のBGMになっていた。


泣き弱ってる美子に、言葉を添えてみた。

「美子 落ち着いた?」

「うん」

「じゃ そろそろ 話してよ」

「うん」

「あのね、今日、淳とわかれた」

思わず耳を疑った。

淳って言うのは、同じ中学のひとつ後輩だけど、

中学のときお互い初恋で、ただ温室そだちで、

やっとの思いで、美子が高校二年のときからつきあい始めた彼氏。

もうかれこれ、美子が17歳からだから、

親密につきあって、あしかけ4年になろうとしていた。