【第三話】 告白


レクレショーンに向かうバスの中で、親友との出会いが、ひょんな会話から始まった。

「なあ たしか君ら、東中やろ?」

バスに乗り込むやいなや、僕ら三人に声をかけてくる。

「そうや」

「俺おれ わかる?」

すると、横に座ってた、木村が思い出したように

「おお カナ中の四番か!」

木村は中学でピッチャーで、対戦相手の顔をよく見ていたせいか、思い出したようだ。

「橋本です よろしく!」

こうして、お互い自己紹介して、中学での野球つながりで、つるむことになった。

ただ、うちの高校はグランドが小さく、野球部はないと聞いていた。


橋本は地元中学で、カナ高に進学している同級も多く、また野球での知名度もあった。

そのせいか、レクレーション中も、いろんなやつと会話していた。


また、ガイド役の二人の女子先輩からも声をかけられていた

「ああ 橋本君! うちの高校にきたんだ!」

「ええ!」


後から聞くと、一人は橋本の近所で、もう一人も同中学の先輩だったみたいだ。

それに、ガイド役の先輩は同じクラスの四人で構成されていた。


レクレーションは、山登りで、僕ら三人と橋本そして数名加わってつるんでいた。

あと、橋本の顔見知りの先輩がいたおかげで、

ガイド役の女子先輩たちも、ことあるごとに、近寄ってきて、

ガイドっていうより、新入生気分を味わっていた。


高校生活にも慣れて、一学期も終わる頃。

どこか息があって、親友になっていた橋本に、

あることを打ち明けることにした。


橋本とはよくつるんでいて、

あの女子先輩二人も親友らしく

何度か校舎で

顔を合わせては、挨拶程度だけどしていた。


何度も名札を見ていて、覚えていたけど。

あの人のことを、とぼけて聞いてみた。


「なあ やすひろ!」

「ん!」

「あんな、レクレーションの時の先輩、なんて言ったかな?」

「背の高いほう、低いほうどっち?」

「低いほう!」

「福地やけど、なんでや?」

「・・・」

「おまえ あれか 好きなんか?」

「そうやねん!」

「なあ!一緒に行ってくれへんか?」

「ええけど」

そして、その日の昼休憩のときに

橋本と連れもって、すぐ上階のクラスへと向かった。

橋本が彼女のクラスへ呼びにいってくれ、

しばらくして、渡り廊下で待ってる僕のところに彼女が。

「こんにちは 福地先輩」

「元気にしてる 広岡君」

「は・はい」

少し、しどろもどろになっていた。

ここは勇気を振り絞って打ち明けた。

「あの 福地さん 僕と友達になってくれませんか?」

「突然、ちょっとって橋本君に聞いて、びっくりしたけど」

「友達なら いいよ!」

「ありがとうございます」

何故か、頭をさげていた。

それから、その場は電話番号を交換して、

先輩たちが、ざわめいてる中を、橋本と足早に、階下のクラスへ降りていった。