週末の定例でホールに「つれ」と来ていた。
今日はいつものホールじゃなく
道頓堀から少し北の昇った
周防町通の「葡萄屋」に来ていた。
昔は常連だったけど
いつのまにか
遠ざかっていた。
ヒップホップのダンスも終わり
チークタイムに入り
座席に腰掛けながら
体中から流れている汗を
自然に乾燥させていた。
つれは喉が渇いたのか?
「淳! なんか飲む?」
「うん じゃ ジンバック」
「OK」
「ところでさぁ さっきから」
「お前のこと 斜め後ろの、真ん中の子が、じっーと こっち観てるんだけどさ?」
「ほんまか?」
それとなく振り向いてみる
「おい 淳!」
つれの叫びを背中に感じながら
一目散に駆け寄っていく。
「あの! よろしかったら」
「一緒に踊りませんか?」
「・・・」
彼女の返事を聞くまもなく
手を握り締めて中央のステージに引っ張ていく
しばらくお互い無言でチークを踊っていた。
「淳!」
半年前に音信が途絶た彼女からの
懐かしい声が
僕の心にエコーしていた。