------ 乾燥肌は部屋やエアコンのせいじゃない -----
寒くなると乾燥肌に悩む人は多いが、お手入れを間違えなければこわくない(写真:Ushico/PIXTA)
乾燥が気になり始める季節。この時期から、どんなケアをしたらよいのでしょうか。「毎年冬場にはエアコンで肌が乾燥して・・」と言う人がいます。しかし、肌の乾燥の原因をエアコンなどの空気の乾燥に求めてはいけません。肌の
潤いの仕組みを、まずは知っておきましょう。
◆角層の水分量が決める乾燥肌の定義
角層という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。肌の表面には、角層と呼ばれる、死んだ細胞の層があります。ここに水分が約30%あるのが正常で、それ以下になったものが乾燥肌です。
角層の水分を維持しているものは、セラミドと呼ばれる脂質です。このセラミドが水と結合して、蒸発を防ぐことで肌の水分は維持されているのです。セラミドは、赤ちゃんのときは角層内に豊富にありますが、加齢とともに生産量が減っていきます。
さらに、間違ったスキンケアがセラミドを奪うことで、乾燥肌になります。間違ったスキンケアとして多いものは、圧倒的に、強すぎるクレンジングです。クレンジングはメイクを落とすものですが、最近はさっと簡単に落ちるものが好まれます。よって、洗浄力の強いオイルクレンジングや1ステップの泡状クレンジング(ローズ炭酸パック)などが主流になっています。これらを使い続けることが、乾燥肌の原因になるのです。
クレンジングは、極力、やさしいものを選びましょう。クリームかジェルタイプで、洗浄力の弱めのものがベストです。クレンジングの段階ではメイクは半分程度落ちていればよく、その後ダブル洗顔すなわち石鹸洗顔で、残り半分を落とせばよいのです。
洗い終わったあとは保湿です。保湿はセラミド配合の美容液が最も保湿力が強いといえます。年齢とともに失われていくセラミドを補うということは、理にかなっているのです。
セラミドが十分あれば水分は蒸発しない
セラミド配合の保湿美容液を選ぶ際は、ポイントがあります。成分表示上にセラミド2、セラミド3など、数字のついたセラミドの表記があるものが、本物のセラミドです。乾燥がさほど激しくない人は、セラミドでなくてもヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分を配合した美容液でもよいでしょう。美容液を手にとったら、すりこまず、肌に載せるようにつけていきましょう。量をけちらずたっぷり使うことも重要です。
こうして正しいスキンケアができていれば、暖房のきいたオフィスでも肌が乾燥することはないはずです。セラミドが十分にある肌では、湿度が0%になっても肌から水分は蒸発しません。だから人間は砂漠でも生きていかれるのです。
よく、部屋を加湿して肌を乾燥から守ろうとする人がいますが、快適な湿度にまで加湿しても、その部屋に一日いるわけにはいきません。外気に触れても乾燥しないためには、正しいスキンケアで自分の肌を変えていくしかないのです。セラミドを守って、うるおい肌をキープしましょう。
出典:東洋経済online版 2015年11月13日(金曜日)
記事:吉木 伸子(皮膚科・美容皮膚科医院長)
