昔、登ろうとして脚を挟んでわめいたら助けられたむちゃくちゃ恥ずかしい思い出のある電柱。
LEGOブロックのセット。パパの遺したデュポンのライター。
机の上に、私が巣にしてる長柄を知らない人からの年賀状が来ていた。返事は面倒くさいのに。
相変わらずの腐れ縁なやつからも年賀状。つい、たまに手紙やハガキを書いてしまう。なぜこの人は、携帯番号もメアドも教えてくれないのか。19歳の時、東京で知り合った不思議な女性。彼女はカルトの信徒。
まるで人魚かなにかみたいに、長い髪を腰まで伸ばし、煤けた少女趣味の服を着ていた。当時40代ほど。数年前、彼女がシシリエンヌを踊ると聞いて、ちょうど私にも舞台があったため、東京に行ってたけど、ついでに板橋に、彼女に会いに行ってきた。楽屋の彼女に、背中のファンデを塗ったり、髪飾りなどいろいろ手伝った。同じカンパニーの生意気な子が写真を撮ってくれた。彼女は勢いだけ、別に上手くもなかったし、その教室は全く知らないし、ゲストのベラルーシのダンサーたちは素敵だったけど。
退屈な屈伸の繰り返し。もうええわ、と面倒になり、途中で席を立った。
過去、学生時代、何かよっぽど珍しいことを言ったのか、崇められかけて逃げるのに苦労した。
でもそんな変な人でもたった一人で東京で学生やってた私には心の支えになってくれた。ヒマな時にはいろいろ連れて行ってもらったし。
カルト仲間に会わされ、彼らのややこしい話を横に聞きながら、じゃあマトモな世界ではこの事例はどう捕らえられてるか、なんて頭でリポートしてた。
こいつらのおかげで脳みそが傾きかけて、妙な行動を取り出したのもこんな時期。興味あったからとまる1日、東京中電車乗り回してふらついて、寮に帰るも大して友達がない。でも一人でおったら気をかけて話に混ぜてくれて仲良くなろうとしてくれた子もあった。私、彼女の方がずっと仲良くなりたかったのに。
彼女は長野の子。バイトもしてたし東京での就職も考えていた。私は、まだ夢を追いたかったけどどうしたらいいのかわからなくて、結局家に帰って行った。
その後、一度東京で再会しただけ。
最近昔の友達が気になる。高校時代のコギャルやってた建築士を目指した住吉のあの子はどこへ?
たまに一人でゾッとする。自分はどこへ行くのだろう?と。
生きるのがしんどいなんて口に出したあの頃、でも今よりずっとマシだと思う。
年賀状が…

