| マタイによる福音書 / 1章 1節 | |
アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。
マタイは税金取り立て屋。 イエスの時代、イスラエルはローマ帝国に支配されていたので、 マタイという人はローマの手先とみなされていた。 ユダヤ人から見れば民族の裏切りもの的な扱いを受けていた。 そのような、社会的に排斥され孤独であるはずのマタイは イエスとの出会いにより人生が変わり聖書の記者にまでなった。 Point2. マタイ福音書の想定読者は当時のユダヤ人 アブラハムの子ダビデの子と、ユダヤ民族の始まりであるアブラハムから イエスの起源を書こうとしていることから、 マタイは意図的にユダヤ人へのメッセージとしてこの書を書き記したとみられる。 また、ユダヤ人の始祖アブラハムにはじまり、最も繁栄を極めたダビデ王、 そして人類の救い主イエスが誕生したという3層構造の歴史認識を書いている。 この展開はやはりユダヤ人が読むとピンとくるようになっている。 Pont3. イエスはキリストである。 イエス・キリストとは、「イエスはクリストス(油注がれし者)である」という意味である。 ユダヤ人の王は神に選ばれオリーブの油を注がれる。 旧約のサムエル記には、 サムエルが神に選ばれたダビデに油を注ぎイスラエル王に認定する場面がある。 イエスは王の中の王、 つまり、真の王であり、当時ユダヤ人が渇望していた「救い主=メシア」とは ずばり「イエス」という男であるという宣言である。
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