2002年4月。ある金融機関でシステム障害が起こった。ATMが数時間停止コトについて、当時の大臣はTVインタビューで、「今どきATMが止まることがあるなんて信じられない」とおっしゃった。。。

 18年経過した今。このセリフはどんな意味があるのでしょうか❓❓❓ 意味なんてない。意味なんて。ないです。今でもシステム障害はバンバン起きます。もちろんATMも止まります。

 システムって、多くのプログラムと、それを動かすハードウェア、ミドルウェアなどなど。いくつのパーツが組み合わさって動いています。ATMでお金をおろすためには、ATMでカードの正当性を確認したり、カードの情報を読んだうえで、回線を通してホストコンピュータに取引情報を飛ばして、ホストコンピュータでは元帳(DB)を確認して残高が残ってるかをチェックしたりして。

 コトバを並べればとても当たり前のことですが、システムを開発したヒトは、この裏に隠されてる難しさがわかるハズです。フツーなら。

 ところが、今時の経営者はシステム=専門家だけが分かるモノ。システム=誰かがやってくれるモノ。そう捉えてらっしゃる方が大勢います。だからシステム障害なんて起こりえないとお考えです。この経営者に共通して言えるのは、この方はその業界でとても優秀だと言うことです。だから自分のスペシャリティと引換に、システムは専門家がミスなく作り上げるべきモノとお考えです。


 幸い私がお仕えしていた経営者は真逆のことを考えてくれてます。システム障害は絶対に起こり得る。だから障害が発生した時に、いかに迅速に、影響を局所化できるかを考えてくれます。

 そもそもシステムってヤツは、プログラムが動くタイミングが違うだけで、今まで10年間障害を起こしたことのない取引がエラーになることもあります。1日が86,400秒あるのですから、86,400パターンのケースに分岐する訳です。1年間で言うなら、この365倍ある訳です。

 こんなパターン数を事前に確認することは不可能であり、不可能なモノは不完全なモノです。システム開発経験者の私が、システムを不完全と言っては絶望的なのですが。。今日はココは勘弁して下さい。

 このことを理解しようとしないおエライ方々。難しいと勘違いしてシステムから目を逸らすのをやめて、チャンと見てください。あなたに利便性を提供してくれるシステムは、あなたの快適さの欲求を満足させてくれるし、時には牙を剥く時もあるのです。共存しているのですよ。このことを忘れないで下さい。