香港メディアのJYJ訴訟関連記事です。
長い記事を翻訳してくださっていますので、許可を得てそのまま転載させていただきます。
翻訳はRyoko(@kirituki02)さんです。ありがとうございます。

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K-POP界の契約に新世界が開けるか?
$bibianの説教部屋
3年半の苦闘を経て、並外れた人気をもつK-POPグループJYJが、韓国最大手の芸能企画社SMエンターテイメントからの自由を得るための動きで、ついに勝利を収めた。

非公開の調停でもたらされた決着は、SMS(※不明。SMEの誤記?)や他の韓国の興行主たちを、何も知らない少年少女を囲い込んでおく、通常10年以上効力のある契約を保護するための抵抗戦に向かわせた。

JYJのメンバー、キム・ジェジュン、パク・ユチョン、キム・ジュンスは、変更のきかない13年契約に囚われていたが、その契約は、アジア初のポップ界の麒麟児、東方神起(彼ら自身のグループ結成のために離れることになる)のメンバー5人のうちの3人であったときの収益に釣り合った報酬を得ることを、事実上不可能にしていた。

JYJとSMEの法的論争は、実際にはしばらく前に終結していた。2009年、JYJは契約を無効にさせる履行命令を申請し、法廷が受諾した。そのためJYJは独自に活動を続けることができた。しかし、2010年4月、SMEが告訴し、その契約の有効性を明らかにしようとした。法廷は結局JYJの側に立ち、さらにSMには、多様なJYJの活動に対する既知の例である妨害それぞれに対し、罰金を支払うよう命じた。そうした間にも、グループの並外れた人気にもかかわらず、韓国芸能界のカルテルは彼らを抑圧し、効果的に放映から除外したが、これは韓国だけでなく、日本でも同様である。

9月13日、ソウル地方法院は、強制的な調停を選択して、最後の訴訟における答申の判断を無期限に延期した。韓国の放送局網は、「訴訟において評決に達するまで」追放を支持することで合意した。2年前、法廷がSMEの行動は違法であり、罰金でもって罰されうるとした事実にもかかわらず。そのことは、SMが実際に支払わねばならない金額に関する交渉で譲歩することを拒み、妨害工作を続ける限り、グループの追放は続けられることを意味した。

「この訴訟事件がいつまでも強制的な調停のまま留め置かれ、SMEがただただ妥協を拒否するならば、文字通りすべてのK-POP産業のアーティストが、この戦いからの益を得ることになるでしょう。JYJを除いて。そのことを私たちは心配していました」とある観察者は述べた。

法廷闘争の3年半の間になされたJYJの活動への妨害の実例は、10月9日付けのAsia Sentinelの記事で指摘した通り(※)、非常に数多く、継続的で十分な裏付けのあるものだった。

業界におけるSMEの経済的影響力からして、この芸能界の巨人は、ラジオやテレビを含むあらゆる放送局でパフォーマンスを行うことのできるJYJの才能に対し、容易ならぬ衝撃を与えていることで非難されている。JYJは、受賞番組、韓国内部のコンサート会場、そしてさまざまな音楽チャートから追放された。

しかしながら、11月28日の公式声明文で、SMEは唐突に「(東方神起の他のメンバー)ユノ・ユンホとチェガン・チャンミンが、さらなる被害を受けたり、これ以上の不必要な話題に巻き込まれることを避けるために」論争解決の決意をしたと述べた。

3人が「もはや東方神起として活動する意思がないことを明らかにし、SMエンターテイメントは、これ以上この3人をマネジメントし続ける必要がないと判断した」。発表によると、「我々は、今後のことで互いに干渉しないことも決め、本日の審問で裁判を終わらせた。」

韓国のあらゆるもののやり方、車、テレビセット、家電といった製品の品質への献身的で気の狂ったような注意深さもその一部であるが、それらと同じように、制作会社らは、地球上で最も厳しい芸能界向け訓練のいくつかを実行している。制作会社らは、韓国国境をはるかに超えてその影響力を広げるK-POPグループによって生み出された利益を受けてきた。SMEがマネジメントする別のグループ、少女時代は、アメリカの人気番組であるデイヴィッド・レターマンショーに出演した。

SMや他の芸能企画社は、5年以上も少年少女らを住まわせ、身ぎれいにさせ、食事を与え、訓練を施すためのコストが数百万ドルにも達することがあり、そのような負担のある契約が投資を取り戻すための方法だと言うことで、長期契約を正当化した。

にもかかわらず、製作会社が数百万ドルをもうける一方、ポップスターが得るのが月に150ドルそこそこであるという、いわゆる「奴隷契約」に関する騒動は、その結末に重大な影響を与え、広範な関心を呼び起こした。

たとえば、韓国公正取引員会は、数ヵ月前、契約が効力を持つ期間に関して全面的な転換を命令し、JYJの審理で明らかにされた事実に基づく他の多くの変化を芸能企画社に要求した。

11月14日、SMエンターテイメントは、アナリストらが「アーニングショック」と呼ぶものを経験した。第3四半期の結果が、アナリストらに期待させた半分以下だった時だ。株価は垂直降下し、他の多くの芸能関連株をも下落させ、機関投資家からの不平と照会を雨あられと浴びせられた。その次の週、SMEの弁護士たちは、JYJの問題解決を妨げていた、長らく行き詰まらせたままだった交渉を、唐突に再開した。

JYJの問題解決の2週間前、SMEは、業績の悲惨な結果は、東方神起とスーパー・ジュニアのアリーナコンサートの巨額制作費に帰せられうると主張した。このことは、SMが、契約上でも疑いなくそれらをコントロールすることのない所属アーティストらに、未熟な財務上の判断の責を負わせて非難しているように見え、ファンらには自分勝手な主張に思われた。

かくして、最後の疑問は、JYJが韓国のテレビに舞い戻ることが許されるのかどうかである。彼らの人気とベストセラーアルバムは、その場に立つにふさわしいことを示しているように見える。しかし、彼らの注目すべき国内外のファンは、事態の終結をもっても、SMEが対話における支配権を握っているので、テレビ製作者らが、なぜ彼らが出演しない方がよいのかについて、次から次へと言い訳を呈し続けることになるかもしれないと、むしろ以前よりも懸念を抱いている。

放送局の経営陣は、今の時点では、このことについて特に方向性を持っていない。訴訟が終わったことについて尋ねられたとき、KBSのChon Jinkook芸能局長は、ローカルメディアに次のように語った。「この事態を受け取り、整理した後でないと、我々の立場について申し上げることはできません。判決が主な理由であったので…そうですね、私の意見としては、そこが明確に解決されたなら、彼らの番組出演を止める理由はありませんね」

MBCのWon Mansik芸能局長はこう述べた。「裁判が終わっても、彼らの出演には時間がいるでしょう」。ほかのMBC職員は、「番組(音楽番組、芸能番組含む)への出演について、まだ議論していません。これから芸能局全体で、このことについて検討すべきでしょう」と述べた。

SBS「人気歌謡」のPark Seungminは、「芸能局全体の問題です。我々はこのことについてまだ議論していません…なので、なにも申し上げることはできません」

JYJのファンらは、彼らをTVで見られるようにと献身してきた。彼女らは、容易には引き下がらないだろう。11月28日の裁定をもって訴訟は終わり、JYJには彼らの自由が認められた。しかし、その先のことは、不確定なままに残されている。


(The writer is a US-based songwriter and music publisher concerned with the cause of justice for recording artists in South Korea.)
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※"K-Pop Group Under Threat"
http://asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=4882&Itemid=189
[訳]「脅威にさらされたK-POPグループ」http://tl.gd/jksbjn

Asia Sentinelは香港に拠点を置く独立メディア。ジャーナリストのみならず、各分野の専門家からの寄稿を受けているとのこと。
注意:韓国語での発言、文書内容については、英語から訳しているため、ニュアンスが違ってきている可能性があります。

出典の記事(英語)
Asia Sentinel
Thursday, 06 December 2012
"New World for K-Pop Music Contracts?"
同社通信員による記事
http://asiasentinel.com/index.php?option=com_content&task=view&id=5023&Itemid=189
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韓国でも日本でもない海外メディアによる、よく観察され分析された記事だと思います。
世界が見てるんですよね。

ところで、最近日本の週刊誌にSMとの裁判が終結したこと自体は取り上げられたりしていますが、その中で、「日本でも係争中のため日本で活動できない」としているものがありました。

なんとなくもっともらしい話に聞こえますが、いつ、そんな話になったんですかね?

JYJが日本の元所属会社avexとの本訴訟を申し立てたのは、チャリティイベントの会場を巡って妨害が発覚したときで、2011年6月です。(仮処分申請は4月)
しかし、現実にavexがJYJの活動を一方的に中止にしたのは、遡ること半年以上前の2010年9月です。
つまり「係争中」が理由で日本活動を中断させられたのではありません。

まさか「係争中」って韓国での話?
韓国で元所属会社SMと裁判になったあとも、JJYとしてavexの下で日本でドーム公演を成功させたことは紛れもない事実です。

「係争中」が理由で日本活動できないなんて、そんな後付け理由をもっともらしく語る“関係者”“芸能記者”って?いいかげんなことばっかり言ってるんですね。

香港のメディアに指摘されているとおり、日本でも
テレビ製作者らが、なぜ彼らが出演しない方がよいのかについて、次から次へと言い訳を呈し続けることになるかもしれない
ですね。
まあ、今の日本では「韓国人だから」って言う理由だけでも出演拒否の理由になりそうですが。