名古屋こども歌舞伎。


本当は、

名古屋開府400年記念事業の一環として

1回きりだったはずでしたが、


年を明け、5回目の公演を迎えます。


おそらく おびば家ブラザーズにとって

卒業公演。


御園座の解体工事も、ずいぶん進み

現在は、御園座の大道具倉庫を貸していただき

稽古をしています。


天井のたか~い 作業場。


今年もかわいい新規生を迎え、

ビデオ鑑賞、基礎の発声練習からはじまり、

所作(しょさ)・手先・足・全身の練習

台本読み合わせ 台詞の言い回し方・・


そして

今回から 立ち稽古に入りました。


あまり着物を着ない現代の日本の生活。

稽古では、

しゃがむ所作ひとつとっても

和の美しさが表れます。


女形の歩み方。


腰を落とし、両手先を片足に添え 横向き

しずしずと。


その際 腰は 上下しないでまっすぐ。


・・色々ありますが、

顔の角度や 眼力により

子供でも大人顔負け!

いろんな表情を 表現しています。


観ている側からすると

ほんの小さな動きでも、

実は こんなに全身を使っているのだなあ

なんて感心させられることも多く。


三河のお山の地芝居先生、いのしし漁師さんいのししきらきら

しめしてくださる動きや台詞言い回しは

まるでマジックshowを観ているみたい。


『奥州安達ケ原三段目 袖萩祭文の場』


涙・涙泣の物語。 


盲目の母(袖萩)と幼い娘お君の出から

始まります。


袖萩は、目がみえない・・

だから、耳を先行させて 歩くように。


これから冬に向け、

こんな風に細かい稽古を詰めていきます。



指導を受けるおびば家お兄ちゃん
(名古屋市中区栄 御園座 大道具倉庫にて)


地下鉄の中、

覚えた長台詞を確認するおとうとくん。

「ホホウ、此の天眼通ハ得ざれ共、弓矢の道にハ賢き某、

大赦のみぎり、桂中納言成りと名乗り来る、其の時より。

ツクヅク面体うかぶに、我レ幼き時見覚えありし、安倍頼時にもさも似たり、

さてこそ宮の行へ十握の宝剣おもとり急がせしに極まれり、姿を変えて

森庭(きんてい)へ入り込みしハ 酒二品の御宝を奪い
親が根ざしの大望を達せんとのエみよナ、・・・・・」
 八幡太郎


ああ、かあさんには 無理だ。

すらすらと頭に入る脳みそ 羨ましいよぉあへへ