H4ー2 OTAKU日和 -37ページ目

H4ー2 OTAKU日和

愉しいヲタク L I F E



その6

生中継が終わり楽屋に戻ると、対談の最中、司会者の鋭いツッコミに助け舟を出してくれたタイガ -に、まだ、お礼を言ってはいない事に気付いた。

でも、まさか、あんなふうに言ってくれるなんて、嘘みたい。普通の女の子だ よって……。

カリ-ナとしての素顔を見てくれて いるんだ……。

いつも意地っぱりで言いたい事が言えずに後悔ばかりだけど、伝えたい事は、きちんと素直 に伝えなきゃ!!

よし!!今からタイガ-へ招待状を 渡しに行く。カリ-ナ、頑張るのよ 。

楽屋を出ると、隣にタイガ-&バ- ナビ-の部屋がある。

深呼吸をしてドアをノックすると、 タイガ-の声が聞こえた。

「あれ?ブルーロ-ズ? どうした? 珍しいな。まぁ、入れよ。」

「あの……、今、タイガ-、一人な の??」

「あぁ。さっき、バニ-に取材の呼 び出しがあって、そっちに行ってる 。何だ?バニ-に用事でもあったか ?!」

ちょっと、ズキンと来た。でも、こ こで怯んではダメだと強く思うと思わずムキになった。

「違う!!タイガ-に……。」

「オレに?!」

彼が戸惑うと、ブルーローズは怯みながら、不思議そうな顔をされたけど、逃げ ちゃダメ!!頑張って!!と必死に自 分を奮い立たせた。

後ろに隠してある手紙を緊張気味に、差し出す。

「あの……、さっきはインタビューで助けてくれてありがと。それと、これ……、ライヴの招 待状なの。絶対にタイガ-に来て欲 しいの。」

彼女の強い眼差しにタイガ -は何も言わずに真剣な顔で見返し た。

「私……、きっと、タイガ-の亡く なった奥さんの気持ちを伝えられる と思う。どうしても、伝えたいと思 ったから……。」

「友恵の気持ち?!」

半泣きで必死なブルーロ-ズに焦っていた。

でも、ふざけた気持ちで言ってるのではないと、真剣さは痛いくらいに伝わった。

優しく笑ったタイガ-は、涙目の彼 女の頭を撫でる。

「ありがとうな。ライヴに行くよ。 楓にも、招待状を送ってくれてたん だろ?あいつらにも。バニ-からも 必ず行くように言われてたしな。」

彼の笑顔に安心したブルーロ -ズは溢れる涙を止められなくなっ ていた。

上手く伝えられてない自分が歯痒く て、辛い。

でも、タイガ-の優しい言葉が嬉し かった。

「トゥワァイグァ-ッ!!!(タイ ガ-)」
彼の広い胸元に抱き着き、思いきり泣いた。

「何もそんなに泣かなくてもいいだ ろう?楓と一緒に行くよ。」

ずっと、彼女の頭を撫でながら、タ イガ-は楓に向けていた時と同じよ うな、優しい眼差しと笑顔だった。

楽屋のドアの前で、戻って来た バ-ナビ-が、二人の会話を聞き、フッと笑い、「良かったです ね。カリ-ナさん。」と呟いていた。

こうして、クリスマスを向かえ 、ライヴ当日となった。

ブルーロ-ズは控室で、鏡をじっく りと見ながら気合いを入れている。

とうとう、今日が来たんだわ。最後 まできちんと歌うのよ。タイガ-に 気持ちを伝えたいから。

「ブルーロ-ズ。調子はどう?」

突然、アニエスが入室。

「あ、お疲れ様です。」

「そうそう報告よ。先程、他のヒ-ロ -達と楓ちゃんが来たわ。特別席 に通しておいたわよ。」

ふふっと笑うアニエスを見て、ほん のりと赤くなってしまう。

「ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。」

「ブルーロ-ズ。今日は一段とキレ イよ。気合いが入ってるわね。頑張 りなさい。」

にっこりと笑い、「ハイ。」と答えた。

雪のように透き通った肌に、キリッ とした顔立ちで、女王様キャラと普段はク-ルなイメージだが、今日はほんのりと優しさも備わっている。

虎徹への恋する気持ちが彼女を大人の女へと少しずつ成長させていた。

その7へ続く




その5

ブルーロ-ズのクリスマスイベント がヒ-ロ-TVより正式発表された。

25日、野外特設会場にて、クリスマ スライヴを決行。

大きなイベントになると、アニエス は生中継を入れる事にしている。

ブルーロ-ズの体調は徐々に回復を して、ライヴのリハーサルに忙しく なっていた。

時間の合間に、楓、バ-ナビ-、他 のヒ-ロ-達に直筆のクリスマスラ イヴの招待状を書き、ポストへ投函 した。

「よし!!これで準備は完璧ね。」

クリスマスライヴまで、あと二日と 差し迫っていた時、イベント前にど うしても、虎徹に会いたいと思って いた。

彼に会って、直接、招待状を渡して 、伝えたい事がある。

ブルーロ-ズもタイガ-とバ-ナビ -も、それぞれ取材や仕事で忙しく 、中々、会えない。

そんな時、ピピピ……と腕輪のアラ ームが鳴り、アニエスからの通信だ った。

「事件ですか?」

「違うわよ。ブルーロ-ズとタイガ -&バ-ナビ-の対談が決まったの よ。ライヴ前の話題作りをしようと 思ってね。明日だから、よろしく。 」

「えぇ?!」

アニエスは、ふふっと不敵に笑う。

「最近のあなた、かなり頑張ってい るから、私からのクリスマスプレゼ ントよ。」

「なっ、何の事ですか??」

「あらぁ、分からないとでも思った の?あの、ライヴの最後の選曲。誰 かさんの為に歌うのでしょう?!」

ブルーロ-ズは、真っ赤になりなが ら、ごまかしても無駄だと分かると 、「はい。」とこぼれんばかりの笑 顔で頷いた。

「イイ笑顔だわ。明日は、その笑顔 で頑張りなさい。」

通信が切れると、アニエスへ、あり がとう……と心の中で、呟いた。

タイガ-&バ-ナビ-とのスペシャ ル対談の日、カリ-ナはヒ-ロ-TV の放送局の楽屋で準備をしている。

「ブルーロ-ズさん、出番ですよ- 。」

「ハイハ-イ。」

明るい笑顔に明るい声。やはり、タ イガ-に会えるとなると、テンショ ンが上がり、やる気が出る。

スタジオに入ると既に、タイガ-と バ-ナビ-がプロテクトス-ツに身 を包み、スタンバイが整っている。

「ブルーロ-ズさんが入ります。」

「おっ。やっと来たな。」

スタッフに誘導してもらいながら、 ブルーロ-ズが凛として登場した。

「ブルーロ-ズ、お疲れ。」

「今日はよろしくね。」

やっぱり、タイガ-に会うとドキド キしちゃって、緊張しちゃう……。

この後、きちんと招待状を渡して、 伝えなきゃ。

対談の生放送が始まり、スタジオは スタッフとヒ-ロ-ファンで埋めつ くされた。

司会者が番組を進行して行く。

「今日はクリスマスライヴを控えて いるブルーロ-ズと大活躍しまくり のタイガ-&バ-ナビ-の夢の対談 が実現したぁ-!!さぁ、プライベ ートを沢山語ってもらおう。」

「よろしくお願いします。」

ブルーロ-ズがにこやかに微笑むと 、男性ファンが黄色い声援を送って ざわつく。

「さて、早速の質問ですが、それぞ れのクリスマスの予定をお聞きしま しょうか?タイガ-さんとバ-ナビ -さんの予定は?」

「俺は、バ-ナビ-と一緒に過ごそ うかと思ってるよ。なぁ。」

「はい。タイガ-さんと一緒ですね 。」

「お二人とも仲が良すぎですねぇ。 ブルーロ-ズさんはクリスマスライ ヴの後はどなたと一緒ですか?!」

「両親と一緒だと思います。」

「本当ですかぁ?!最近、美しさに 磨きが掛かったともっぱらの評判で すが、どなたか好きな男性でも居る のではないですか?!」

「え……?!」

いきなりの質問にいつもなら軽くか わすのに、素で戸惑ってしまった。

好きな人は目の前に居る!!!

「おぉっと、ブルーロ-ズさん、ど うしました?もしかして、図星を付 いてしまいましたかぁ?!」

「いや……、あの……。」

「別にいいじゃねぇか。年頃なんだ から、好きな男が居たっておかしく ね~だろ?ブルーロ-ズの素顔はご く普通の女の子なんだよ。」

タイガ-が横から口を挟むと、バ- ナビ-も「そうですよ。」と添えた 。

ブルーロ-ズが泣きそうな顔になる と、男性ファンがその顔にたまらな くなっていた。

「ブルーロ-ズさんの好きな男性が 羨ましいですねぇ。タイガ-さんか もしれないですし、バ-ナビ-さん かもしれないですね。それとも、ス カイハイさんかな?お似合いの美男 美女ヒ-ロ-カップルと言われてま すからねぇ。」

「ご想像にお任せします。」

彼女がにこやかに冷静に答えると、 司会者のツッコミはそれ以上無くな った。

その後の対談は、タイガ-とバ-ナ ビ-のプライベートな話に移り、楽 しい会話で幕を閉じた。

その6へ続く