だいち69(THE WAYBARK/Vo)×志磨遼平(毛皮のマリーズ/Vo)対談~後編~
だいち69(THE WAYBARK/Vo/「AOMORI ROCK FESTIVAL~夏の魔物~」主催者)
×志磨遼平(毛皮のマリーズ/Vo)対談
~後編~
音楽リスナーとしてはものすごく恵まれた環境(志磨)
■CDが売れない時代とも言いますけど。
志磨:結論から言うと、僕は別に売れなくていいと思ってるんです。
だいち69:いつの時代だってCDなんて売れないんですよ。いい曲だったら売れるんですよ。っていう話ですよ、ちょっと端折りすぎましたけど(笑)。
志磨:でもそういうこと。CDがなくなっても音楽がなくなるわけではないし、むしろ幸福な時代なんじゃないですかね。いまはYOUTUBEがあって、ipodがあって。これ、レコードやCDで言ったら棚持って歩いてるようなもんですよ。
全員:(爆笑)。
志磨:僕、ipodを最近買ったんですよ。もうびっくりして、文明開化っすよ(笑)。音楽リスナーとしてはものすごく恵まれた環境なんですよね。YOUTUBEも見放題だし。音楽タダってめちゃめちゃいいっすよ。
だいち69:しかも動いてるんですよ。何なんですかって(笑)。
志磨:ね(笑)。いま自分が運良くミュージシャンになってるけど、いままでの人生どっか間違えてたらなってなかったかもしれないでしょ。だから奇跡みたいなもんで、ほんまにラッキーやなって思うんですけど、リスナーとしての喜びで言えば、「これから音楽に一生お金を払わなくていいですよ」って言われたら、もうむちゃくちゃうれしいっすよ。どっちの喜びのほうがうれしいって言われたら、やっぱりこっちなんです。例えば無料ダウンロードでCDが売れないとかいろんなこと言われて、本職の僕が「こんなことインタビューで言っちゃダメじゃないの」ってことをいま言ってますけど(笑)、僕は一生音楽タダのほうがうれしいです。
だいち69:俺たちが高校のときにそんなのあったら、具合悪くなってましたよ(笑)。
志磨:なるなるなる。熱出すわ。知恵熱出す。
だいち69:まず眠れないじゃないですか。とりあえず3日は寝ないですよね。俺たちは本読んだりしていかに想像するかでやってきたのに、いまはボタンひとつでどういうバンドかってわかるんですから。だから、よけいにルーツを辿らないとか、リスナーじゃない人が増えてるのって変なんですよ。おかしいんですよ。昔と状況が変わってないならわかるけど、全然間口が広がってるのにね。
■CDを手に取ってドキドキやワクワクを味わってほしいっていうお気持ちはあるんじゃないですか?特にだいちさんは、初のアルバムだし。
だいち69:学校サボって前の日にフラゲして1日中聴いて、次の日学校に行く途中にも聴く、みたいな、そういう感覚は味わってほしいですよ。それは俺がずっとそうしてきたから。それがいまの子たちはあんまりないというか、発売日がわからないCDが多すぎるんですよ、出すぎで(笑)。
■発売日が待ち遠しいっていうのもあんまりないんでしょうかね。
志磨:お小遣いの日に走って買いに行ったりね、そういうのはありましたよね。
だいち69:だからこそ、1日でも早く聴きたいって思うようなアルバムを作らなきゃいけないんですよ。ほんとにいろんなところが結びついてない。インタビューがおもしろくないっていうのは結局そういうことなんじゃないのかなって。俺たちが好きなバンドマンはインタビューでの前フリも上手かったし、早く欲しくてしょうがないっていうようなことばかりしゃべるし、やっぱ聴いたときも納得するし。それでライヴ観てって、全部繋がってるんですよ。ただCD出せばいいってんじゃなくて、ほんとCD出すぎ(笑)。
■(笑)。今回アルバムが1,000円っていうのは、キッズに聴いてほしい気持ちが大きいから?
だいち69:最近CD出すぎなんで、俺がロックの入口になるから……って、これヒロトの言葉で、またヒロトのことかよって思うかもしれないけど(笑)、「ロックの入口はどこでも良くて同じなんだよ」って。入口は違っても、そこからは自分自身が作るもんじゃないですか。自分のロック感とか。俺、ライヴでアンケート配るのが好きなんです。俺がいつもアンケートで聞くのは、好きな漫画、好きな映画、好きなアーティストを3つずつ書いてくださいって。人間性出てかなりおもしろいですよ。圧倒的に多いのはRAD WINPS(笑)。それかエルレガーデン。どこの地方でも大体同じですね。漫画は『ワンピース』。『ワンピース』は最高で王道ですけど、そこと結びつくのが俺たちの音楽じゃないですか。
志磨:あー、そうそうそう。そうだね。
だいち69:そこがブレブレで全然直結してないんですよ。ほんと人間性が出るんですよね、3つって言ってパッと出てくるものですから。だから、特にいまの若い子のキャパシティは全然狭いし、ものをあんまり知らないんだなって。
いい曲は何があっても伝わっていきますから(だいち69)
■じゃあ、お2人のロックヒーローを、3つ。
だいち69:あー、きちゃった(笑)。いまいちばんかっこいい人でもいいですか?
■はい。
だいち69:それは志磨さんです。お世辞じゃないですよ(笑)。
志磨:ありがとうございます(笑)。
だいち69:俺が好きだったアーティストっていうのは、ある意味もう役目を終えてるし、新譜が出るたびに何かしてくれるんじゃないかっていう期待感は必ずありますけど、裏切られすぎてて疲れちゃったというか(笑)、もうこれ以上はないんだろうなって。
■なるほど。そこで。
だいち69:そうです。そこで志磨さんっていうのは無限の可能性を持ってるじゃないですか。クロマニヨンズの新譜よりマリーズの新譜のほうが全然予想できないじゃないですか。次はどうくるんだろうとか。
■はいはい。
だいち69:常に若い奴がそういうことをやらないとダメだと思うしね。やっぱみんな目標不足なんじゃないですかね。目標であったり、こうなりたいとか、その人に近づきたいとか、あの人と対バンしたいとか。いつかそれが実現すればって気持ちでバンド始めるとかね。やってればそこにいけるんじゃないかって。いまはほんといまのことしか考えてなくて、「いまはこれが好きだから」って全部使い捨て。そんな軽いもんじゃなくて、青春のバンドは何年経ってもずっと好きだし、青春のバンドですよ(笑)。
志磨:そうだよな。そう思うとやっぱり僕らが中学生のときとか、みんな曲が良かったよな。
だいち69:そこなんですよ。やっぱり曲がいいんですよ。曲がいいから思い出にリンクしてるし、何回も聴くし。だからたくさんの人の心を動かしてるんじゃないですか。いまはクオリティが落ちてるんですよ。
志磨:そうそう。いい曲書いてりゃ勝手に残るっちゅうのはもう曲のパワーでしかない。最近CDが出すぎってさっきから言ってるけど、1年に2枚も3枚も出すバンドもあるけど、そんなんでいいのかって思うところもありますよね。
だいち69:クオリティを落とすか落とさないかですよ。落ちてるのが乱発しすぎですよ。
志磨:結局は、だから才能ですよ。才能ある奴はばかばか書きます、すごい曲を。ビートルズがいい証拠ですよ。
だいち69:どこを目指してるかってところですよ。いい曲は何があっても伝わっていきますから。フラカンの“深夜高速”がそうじゃないですか。
■あのバンドのあの曲が証明してくれましたよね。
だいち69:フラカンのすごいところは、演奏力もバッチリあって、曲も良くて、ロックバンドとして最高峰じゃないですか。日本のロックで、楽しい曲もできて泣ける曲もできて。
志磨:話が矛盾しまくりますけど、やっぱ金儲けしたいっていうのはありますよね。けっこうバンドマンって茨の道っていうイメージじゃないですか。苦労してここまでやってきたっていうドラマティックなのはいいけど、やっぱり音楽シーンで明るい話を聞きたいなっていうのはありますよね。
だいち69:だから、フラカンとか良いバンドがもっともっと売れる状況や世の中を、俺たちやマリーズが作っていかなきゃダメなんですよ。俺たちがトップに立てば自然とそうなっていくし、全部が変わると思うんですよね、大体、これだけ言って噛み付いてくる人がどんどん出てこないとダメじゃないですか。
■挑発されてね。
だいち69:そうそうそう。
志磨:我々がそういうバンドにならんといかんっていうね。これはいいサイクルですよ。僕らがいい思いして、もっとウハウハにならんと。
だいち69:俺たちがいい夢見させてやるよって。
志磨:僕たちボロボロですけど音楽があるんで大丈夫ですってお涙頂戴も、もう聞きたくないし。ダメですよ、こんなボロボロのズボンを穿いてるようじゃ(笑)。
だいち69:俺、思いましたもん。花見のときに志磨さんがダウンジャケット着てきて、「志磨さん、ダウンジャケット着ちゃダメでしょ」って(笑)。夢壊さないでくださいって(笑)。
■たしかに夢が壊れます(笑)。
だいち69:ほら(笑)、志磨さんは影響力があるってことですよ。
■2人ともですよ。じゃあ、最後にお互いにメッセージを。
志磨:僕は、毎年トリにしてね!くらいかな(笑)。
だいち69:いやいや、自然と毎年トリができるぐらい上にいってもらわないと!毛皮のマリーズ、さいたまスーパーアリーナ3デイズ。全然そういう未来があると思いますからね。言っとかないとね。そしたらハードル上がりますから。そこを乗り越えて行くのがロックバンドですから、言って行動に移すだけですから。
志磨:言ってあかんかっても「ごめんね」って言ったらすむやん。言ってうまくいったらこれ儲けもんでしょ。
■なんとでも言えるんだから、言っといたほうがいいんですよ。
志磨:そうそう。とりあえず、今年の魔物は来たほうがいいよってことですね。
だいち69:俺たち2人が誰も観たことのない未来に連れてってあげますよっていうことです。こっからがおもしろいってことですよ。ロックンロール!
[インタビュー/文:藤坂綾]
THE WAYBARK(ザ・ウェイバー)
http://www.thewaybark.com/
だいち69(Vo) Johnny(Gt) おっくん(Ba) ブラック斎藤(Dr)
だいち69とJohnnyにより、2002年6月9日、ロックの日結成。地元青森では数々の強豪ロックバンドと対決経験があり。日本の死にかけたロックンロールを蘇らせることを目標に掲げ、精力的に活動中。21世紀最新型、明るい青少年のロックンロールバンド。2010年7月21日、ファースト・アルバム『マイ・ジェネレイション』をリリース。
毛皮のマリーズ
http://www.kegawanomaries.jp/
志磨遼平(Vo) 越川和磨(Gt) 栗本ヒロコ(Ba) 富士山富士夫(Dr)
2003年2月2日結成。05年に現メンバーとなる。06年9月20日、デビューアルバム『戦争をしよう』をリリース。翌年、8月11日、「AOMORI ROCK FESTIVAL~夏の魔物~」に初出演。09年には同フェスで、大物ゲストを押さえヘッドライナーを務める。2010年4月21日、メジャーデビューアルバム『毛皮のマリーズ』をリリース。
■「AOMORI ROCK FESTIVAL~夏の魔物~2010」
初の2DAYS開催!
2010年8月20日(金)21日(土)青森県つがる地球村円形劇場
THE WAYBARK
『マイ・ジェネレイション』
XQIU-1503
Ainever music
¥1,000(税込)
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