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ITmedia エンタープライズ 8月29日(金)10時45分配信
デバイス中心ではダメ――企業モバイル界の重鎮が語る次のトレンド
SAP エグゼクティブバイスプレジデント ジェネラルマネージャー グローバル・モビリティ・ソリューションズのリック・コスタンゾ氏
 デバイス、アプリに続くモバイル業界の次のトレンドはクラウドベースのサービスだ――こう語るのは、2014年2月にSAP エグゼクティブバイスプレジデントに就任したリック・コスタンゾ氏同氏は「BlackBerry」のResearch In Motionで15年近くに渡って企業向けモバイルビジネスを手掛け、通信・IT業界で20年以上のキャリアを持つ企業向けモバイル分野では重鎮として知られる

 「2000年代始めに音声収入が頭打ちとなった通信事業者は、データ通信収入を増やすべく販売奨励金を駆使してスマートフォンをあらゆるユーザーに浸透させたその結果、トレンドの主役はデバイスからアプリに移り、今ではGoogle PlayやiTunesが業界の中心だ」

 スマートフォンが今日ほど普及する以前、企業向けモバイルの世界ではNokiaやBlackBerryが主役だったそれが、2007年のiPhoneの登場で勢力図が一変iPhoneはコンシューマ分野を皮切りに企業分野の主役に躍り出るようになったしかし、最近のコンシューマ分野ではAndroidの台頭が著しいAndroid勢の中でもこれまで主役だったSamsungのシェアを中国の新興メーカー陣営が浸食しつつある

 こうしたデバイストレンドの変化を目の当たりにしてきたコスタンゾ氏は、Research In Motion退職後にこの業界から身を引くつもりでいたというしかし、トレンドの中心がデバイスからアプリへ移ったことで、新たな可能性を期待し、1年も経たずに業界に戻ってきたという

 「ウェアラブルデバイスやスマートカーといった新たな存在が加われば、“デバイスの断片化”はさらに広がるデバイス中心のままでは企業は対応できないモバイルを利用、管理していく視点をアプリ、コンテンツ、セキュリティに移すべきである」

 同氏はSAPがこの潮流に即した企業だと強調するHTML5をベースにiOS、Android、Windowsなど各種のプラットフォームに対応したアプリ開発・実行環境の「SAP Mobile Platform」や、ユーザー体験を重視したインタフェースを特徴とするアプリケーション群の「SAP Fiori」、大量のデータの高速処理に長けたクラウドサービス「SAP HANA Enterprise Cloud」など、これらのソリューションポートフォリオが企業のモバイル活用環境をシンプルに実現していくという

 一例として同氏はカナダ・モントリオール市交通局でのモバイル活用を挙げるモントリオール市交通局では利用客の減少による収入減を解決するために、バスや地下鉄路線の近隣に所在する企業と共同で「メルシープログラム」を創設した利用客が交通局のモバイルアプリに自身の属性(性別や年齢、好みなど)を登録しておくと、所在地などに応じてユーザーに即したクーポンなどが配信される仕組みで、現在では交通局の収益増に貢献しているという

 「登録情報やロケーションなどの情報をSAP HANA Enterprise Cloud上でリアルタイムに処理してユーザーに的確な情報を提供しているユーザーへ提供されるのは生活にメリットのある情報であり、広告主の情報が“迷惑メール”になるようなことが無い交通局もバスや地下鉄の利用率が高まり、広告収入も得られるもちろん、欧州や日本で強く懸念されるユーザーのプライバシーにも、十分に配慮した仕組みを提供する」

 こうしたマーケティングでのモバイル活用に限らず、企業では従業員の所有するデバイスを業務に活用していく「BYOD」も注目されているBYODでは使い慣れたデバイスを用いることによる業務効率の向上や、企業が従業員に配布するデバイスコストの削減などがメリットとしてうたわれるその反面、企業としての管理は難しくなり、セキュリティリスクの増大などがデメリットに挙げられる管理を難しくする要因の1つは、従業員が職場に持ち込む多様なデバイスだろう

 企業のモバイル活用をオフィスの内外に広げるために、デバイスの垣根を超える環境にすべきというのが、コスタンゾ氏の主張だ

 なお、企業向けモバイルの分野では7月に発表されたIBMとAppleの提携が話題になったコスタンゾ氏は両社の提携がSAPの戦略にあまり影響しないだろうと語る

 米金融大手JPMorgan Chaseなど複数の金融機関のネットワークに何者かが侵入して口座情報などを盗み出す事件が発生し、米連邦捜査局(FBI)やSecret Serviceが捜査に乗り出したという米メディア各社が8月27日付で伝えた

 New York TimesやBloombergによると、何者かが8月中旬にJPMorgan Chaseなど少なくとも5行のネットワークに侵入し、預金口座の情報を含む数Gバイト分の情報を盗み出した

 同様の被害は最近、欧州の大手銀行でも発生していて、捜査当局が関連を調べているという

 被害に遭った銀行のうち1行では、攻撃者がソフトウェアの一般には知られていない脆弱性を突いて銀行のWebサイトに侵入何層にもわたって実装されていた高度なセキュリティ対策をかわして情報を盗んだとされる

 動機は不明だが、金銭目当てや機密情報を狙った可能性が指摘されているほか、Bloombergは米国などがロシアに科した金融制裁に対する報復として、ロシアのハッカーが攻撃を仕掛けた可能性もあると報じた

 JPMorgan Chaseの広報は報道各社に対し、「当行のような規模の企業はほぼ日常的にサイバー攻撃に見舞われている攻撃に対抗するため何層もの防御策を講じ、常に不正のレベルを監視している」とコメントしている

【関連記事】「発表内容を聞く限り、そもそもiOSデバイスだけで良いのかという疑問があるIBMは100以上の業種別アプリをiOS向けに提供するというが、われわれは彼らより2年も前からその2倍以上の数のアプリをiOSデバイスに提供してきたその結果、トレンドの主役はデバイスからアプリに移り、今ではGoogle PlayやiTunesが業界の中心だ」

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