第6話
第6話あおいの吸い込まれるような瞳に映る自分の姿に少しの迷いもなかった。なおひろ「何でこんなに、この国を救おうって気持ちになるのだろうか。俺には、この国を救う理由も無ければ、救おうって感情すらない。けど、今の俺にウソはない。どうして…」なおひろには分からなかった。どうして自分がここまで本気になっているのか。でも…“あおいの目を見ると、なぜだか力・自身・勇気が湧いてくる”これだけは確かに言えることであった。色々なことが頭の中で巡っている中、いづみが口を開いた。いづみ「ふふっ…どうやらあおいに感じるものがあるみたいね。あおいとあなたにならきっとできるはずよ。」けんと「君に2つの伝言を残す。1つは北に向かった先にあるノース・アポン・ザ・シーという街に向かって、その町の統括を任されているヤナギサワ夫人を探しなさい。ヤナギサワ夫人はミヤモトの妹だ。きっと力になってくれるはず。2つ目にミヤモトと戦う時は、少し距離を置きながら戦うこと。ミヤモトの体温は摂氏3000度。近づいたらひとたまりもないぞ!」なおひろ「分かった…。親切にありがとう。あと、1つ聞きたいのだが、あおいはまだ赤ん坊だ。連れていっていいのか??」なおひろは非常に不安だった。自分にはまだ魔法が使えるという確証がない。そして、あおいはまだ赤ん坊。戦力になるなんて思えない。そんな不安に駆られている中、いづみはこういった。いづみ「大丈夫よ。あおいは私とけんとの子。かつてないほどの魔力を持っているわ。まだ赤ん坊だけれども、戦闘能力は申し分ないはずよ。」なおひろ「分かった。」なおひろは、ポツリとつぶやいた。なおひろはあおいを背中におぶって、いづみとけんとに別れを告げた。いづみ「この国に伝わる生ける伝説、プロアクティブ家。再び台風の目になるはずよ…。立派になったわね…ねえ…ももこ。」~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~なおひろは、ノース・アポン・ザ・シーに向かっている。風はキリキリと冷たい。背中におぶったあおいは、なおひろの背中ですやすやと眠っている。なおひろ「なんだろう。この子のぬくもり、安心する。」なおひろが考えごとをしていると、突然目の前に光が現れた。なおひろ「まぶしっ!! なんだ??」強烈な光と共に、目の前に現れたのは、ミヤモトであった。ミヤモト「なおひろ容疑者、久々だな」なおひろ「お前はミヤモト…!!」ミヤモト「刑務所での生活はどうだった?? 臭い飯に、窮屈な生活…。麻薬犯にはぴったりな生活であったろう…。よく脱獄できたものだ。フフッ…」なおひろ「ふざけんな!!!!!! お前のせいで、散々な生活を余儀なくされたんだ…。お前が森の動物や魔法使い、そしてこの国から再度昼をなくそうとしていることはいづみから聞いた… 一体何が狙いだ??」ミヤモト「プレフェ様の野望を打ち砕いたお前を憎み、復讐を果たすためにこの三年間お前をつぶすために生きてきた。プレフェ様は俺がもっとも尊敬し、もっとも愛した方だった…。結婚だって考えていたその矢先、お前が現れた。プロアクティブ家の血を引くお前の強力なな魔法によって、プレフェ様はやられた。ここまで怒りを覚えたことは無い。三年間、鍛錬を積んだ魔法と体技、体に纏う特殊効果「火山熱」、プレフェ様の血を飲んだ俺にもはや敵なし…。今ここで消し去ってやるよ!!!」ミヤモトは強烈な熱を体に纏い、とんでもない風圧と共に、世にも恐ろしい姿に変わりはてた。変身した全長8Mのその姿はこの世の生物とは思えない姿であった。なおひろ「くそっ!! 魔法も使えない、10万馬力を持っているわけでもない、こんな俺に何が出来るってんだ…!!!」ミヤモトはものすごい勢いで突っ込んできた!!!!熱を帯びたその巨体がなおひろを襲いかかる!!!なおひろ「うわーーーーーーーー!!!!!!!!!」その時、背中におぶったあおいから強烈な光が放たれる…!!あおい「プギャーーーーーーーー!!」あおいは耳を塞ぎたくなるような泣き声と共に、なおひろの周囲5M以内に結界を張った。ミヤモトはその結界にぶつかると、後方10Mほどふっ飛ばされた。なおひろ「何が起きた…??」なおひろは状況が理解できない。その時どこからともなく声がした。(なおひろ、よく聞いて…!!)なおひろ「なんだ…??」(あおいよ…落ち着いて…。いや、正確にはプロアクティブ・カン・ビ・あおい。私、まだ赤ん坊だから言語を発することが出来なかったの。けれど、母さんから受け継いだ強力な魔法によって、自分の意志を伝える魔法「ノンバーバ」を使えることが出来るの。今のあなたにはこの男には勝てない。なぜなら、魔法を使うことが出来ないから。あなたが魔法を使えるようになった時、あなたには勝算がある…。だから、いまから私の言うことを聞いて!)なおひろ「あおいがしゃべってる…。赤ん坊がなぜ?? いや、今は気にしている場合じゃない…。こいつに勝つしかないんだ…!! あおい、どうすればいいのか教えてくれ!!」そうこうしているうちに、ミヤモトは再度立ち上がった。ミヤモト「あの忌まわしき魔法使い、いづみの娘の仕業か…。噂には聞いていたが、医療魔法を使いこなすけんととの子供を宿したというのは本当だったのか…。憎たらしい。実に憎たらしい!!!! 娘の魔力は想像以上。こいつは間違いなく今消しておかなければいけない存在…。消してやるよ!!何もかも!!」ミヤモトは再度攻撃を仕掛けてきた。ミヤモト「インテリタム!!」あおいはなおひろに何かを伝えたその瞬間、なおひろは手を前に突き出した。なおひろ「プロテージ・オムネス!!」再度ミヤモトの魔法を防ごうとしたなおひろだが、ぎりぎりのところで間に合わなかった…!!なおひろとあおいにミヤモトの攻撃が直撃する!!なおひろ「グハっ!!!!!!!!」なおひろは吐血した瞬間地面に倒れこんでしまった。ミヤモト「フン…雑魚が…。てめえのかつての栄光も、あのまどかとかいう女を愛してしまったから魔法が弱まっちまったようだな。3つお前に伝えることがある。1つ、まどかは死んだ。俺が食っちまったからな!!! 2つ、さっきお前が別れを告げたいづみとけんとだが、お前が接触を試みたと聞いて、俺が邪魔者として始末しておいた。3つ、ようは俺の完全なしもべだ。もうお前のことは覚えていないし、お前のもとに戻ることもない。お前は全部守れねえんだよ!!!なにもかも!!その非力さとバカげた愛にうぬぼれたせいでな!!」なおひろは言葉を失った。(まどかが死んだ…?? けんともいづみも…?? ようが戻らない??)その瞬間、なおひろは精神崩壊と出血多量によって、その場に倒れこんでしまった…~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~???「そう大変だったザワね…私の兄は行方不明になっていたザワす。どこに行っていたかと思えば、そんなバカげた計画を立てていたなんて…。」なおひろは、ふかふかのベッドの感触と痛いくらいに眩しい太陽の光で目が覚めた。あおい「プギャプギャ♪♪」???「赤子、どうしたザワ?? あ、青年の目が覚めたザワ??」なおひろ「ここは…?? 俺は生きていたのか…」なおひろは目の前にいる女性に目を向ける。ヤナギサワ「九死に一生を得たザワね…。初めまして、私はヤナギサワザワす。みんなからはヤナギサワ夫人と呼ばれているザワす。この町の市長をやっているザワす。」なおひろ「あなたがヤナギサワ夫人…?? ということは…ここは、ノース・アポン・ザ・シー??」ヤナギサワ「そうザワす。あなたはこの赤子の強力なワープ魔法によって、ここに瞬間移動してきたザワす。兄が迷惑をかけたザワすね…。ごめんなさいザワす…。」なおひろ「いや、妹のあなたに罪はない。傷を治療してくれたみたいだな。恩に切る。この赤ん坊の名前はあおいだ。」ヤナギサワ「そう、あおいというザワすね…実に強力な魔法を使うザワすね。なにかの秘密があるザワす???」なおひろ「ああ、あおいはプロアクティブ家の血をひいてる。ちなみに、俺もひいているらしい。俺には全くの無いことなんだがな…。」ヤナギサワ「プロアクティブ家???ということは、噂に聞く、いづみの娘さんザワす??」なおひろ「ああ、そうだ。よく知っているな、知り合いなのか??」ヤナギサワ「知り合いも何も、いづみは私の幼馴染。先日、亡くなったとの噂を聞いたザワす…。いづみの娘ザワすか…。あなたはプロアクティブ家の誰の子孫にあたるザワす??」なおひろ「分からない。」ヤナギサワ「あなた、母親の名前は??」なおひろ「ももこだ。」ヤナギサワ「…!!! なるほど、ももこにそっくりザワすね。その目、口、鼻の作りとか。あなたは知らないでしょうけど、ももこはいづみの妹にあたる存在。つまり、あなたもプロアクティブ家の血を引いているということね。プロアクティブ家の血を引いているということは間違いないザワす。」なおひろ「そうだったのか…!!! ママにそんな過去があったなんて…。そうだ…!!」なおひろは先日のミヤモトとの戦いを思い出す。最愛の人間まどか、恩人いづみ、けんとが死んだ事実、ようが戻ってこない事実。その全てはあまりにも残酷で、なおひろはこの出来事全てが夢で在ればいいのにと思っていた。なおひろ「おれ、大切な人、全部ミヤモトにやられたんだ。あおいの声を聞いて、魔法が使えるようになったと思ったんだけど、間に合わなかった。俺、あいつに復讐したいんだ。この国も守りたい!!俺が全部引き受けたい!!」なおひろはものすごい形相でヤナギサワに言葉を発した。ヤナギサワ「フフっ…。本当、プロアクティブ家の血は争えないザワすね。いづみやももこさんにそっくりな正義感ザワすね…。私も協力するザワす!!兄を救いたいザワす!!けれど、あなたには力がないザワす。兄を倒すには、魔力が必要ザワす。」なおひろ「そういえば…!!」~なおひろ回想~(あおいよ…落ち着いて…。いや、正確にはプロアクティブ・カン・ビ・あおい。私まだ赤ん坊だから言語を発することが出来なかったの。けれど、母さんから受け継いだ強力な魔法によって、自分の意志を伝える魔法「ノンバーバ」を使えることが出来るの。今のあなたにはこの男には勝てない。なぜなら、魔法を使うことが出来ないから。過去に魔法を一度使えなくなると、通常の方法では魔力は戻らない…。あなたがあの魔法を使えるようになった時、あなたには勝算がある…。だから、いまから私の言うことを聞いて!)(どうすれば、、、いい??)(私の頬にキスをして。私の頬には、魔法を使えるようになる成分が入っているの。だけど、本当に深い愛がないと、魔法は本当に使えるようになるとは言えない。瞬間的な能力になってしまうの。だから、私を深く愛して‼そして頬にキスをして!!その瞬間、プロアクティブ家に伝わる、プレファを倒した時に使ったあいつを倒す強力な魔法を出せるはず!!)(俺にはまどかが…!!)(良いから、早く…!!いまはとりあえず、愛さなくてもいいから、キスをするのよ!!ミヤモトの魔法が飛んでくる!!)~回想終了~なおひろ「あおいに愛を抱けだと…??まだあの子は赤ん坊だ…。それに、俺にはまどかっていう最愛の恋人がいたのに…。愛すことなんて出来ない…。」ヤナギサワ「そうかしら…?? そう不可能なことではない気がするザワす。女の勘は鋭いザワすよ♪♪」なおひろ「…?? 何言ってんだ?? …あっ。」(“あおいの目を見ると、なぜだか力・自身・勇気が湧いてくる”)なおひろ「俺にはまどかが…。でも、なんだろうこの気持ち…。」あおい「…。」なおひろの心に宿りつつある、赤ピンク色のその小さな灯は、次第に熱を帯びて、なおひろの心を揺さぶるのであった。~煽り~悪を打ち砕く、小さな灯の正体とは!!?打倒ミヤモトのキーは、あおいとヤナギサワにあり!!?次回、ミヤモトVSなおひろ、決死の最終決戦!!!!第7話に続く。