小3の一時期、そろばんを教えていたことがあります。
小3の算数にそろばんがあって、周りの子が結構やっていたので「やってみたい」と。
元々私はそろばん育ち。
息子にも小2の春からやらせるぞ!と思っていたのに、本人の拒否によりあえなく玉砕していた過去があります。
これは渡りに船とばかりに、教えました。
(そろばん教室に通わせたかったけれど条件が「お母さんから習う」だったので)
そしたら、あれよあれよと2か月くらいで3級までいきました。
これは、楽器を長年やっていることで「何か(楽譜やそろばんの計算式)を見ながらその通りに指を動かすことに慣れていた」ということもあります。
そして、初見奏が強い理由である「処理速度が速い」ということにも由来します。
もちろん「毎日〇分(その時のレベルによりまちまちでしたが)」という設定を毎日土日もきちんと守ることに何も疑問を感じないルーティン大好き人間であることも大いに関係します。
小3で四則の概念が身についていたため、小還元や大還元で躓くこともなかったのも一因でしょう。
そんなわけで、3級の合格基準に達したあたりから暗算を始めました。
が、これが見事にできない。
今度は彼の「ワーキングメモリーの低さ」が邪魔をするわけです。
(彼は処理速度とワーキングメモリーの数値の乖離が激しいタイプ)
十の位を処理している間に一の位のイメージが消える。
一の位の処理をしている間に十の位のイメージが消える。
暗算をやっている息子を見ていると「やりたいこともどうやってやるかもわかるけど、脳みそがついていきません」と物語っていた。
もちろん時間をかけて訓練すれば必ず良くなるが、そこまでして訓練したいものでもない。
なぜなら、息子はすでに「工夫して計算する」という気持ちがあったから。
例えば私はそろばん育ちなので、38×9なんて式を見たら何も考えずに答えを脳内で文字通り弾き出す小学生でしたが、
息子はすぐに「380-38」と思うようです。
または、360-18。
小学生の私は「この式とこの式が同じとか考えるより、計算した方が速い」という計算マッチョな人間でしたが。
この辺りの変換力は処理速度の速さに起因する気がします。
ということで、そろばん式はすぐに「どうやってそろばんをやるか理解した」という低いゴールを越えて終了となりました。
本人もそろばんを使うのは楽しいが暗算は苦痛だと言っていたので、別に苦痛なものをやらずともよい、ということで。
その代わりに、小4の夏休み、コロナで暇ということもあり、はなまるラボのアプリ「究極の計算」を与えてみました。
やりたかったらどうぞ、という感じで彼の使うタブレットに入れておきましたが、
水を得た魚のごとくやっていました。今も週1くらいで遊んでます。
先週は「円(2)」ということで、円周や弧の長さ、面積なんかを出していましたが、
いかに「×3.14」に代表される小数計算を最後まで取っておくか、ということに関して彼に指導することは何もありませんでした。
そろばんやっていてある程度暗算力があると計算式を左から順にやっていくので、「×3.14」を何度でもやって、その積同士を足したり引いたりして(それだと見た目の桁数が4桁-4桁などになる)結局はミスが出たりするのですが、そういうことがありません。
息子は「頭に一旦保存するのは難しいから、常にちゃんと筆記で記録していく」というスタイルでいくようです。
四谷大塚の「毎日の計算」なる計算テキストを毎日やっていますが、
1回5分程度で満点が普通なので、あのとき無理にそろばん式にこだわらなくて良かったと思っている今日この頃の話でした。