一人暮らしをしている僕は一人になった時、ふいに考える

千秋に会えたら



電話での声はいつも癒されるけども

千秋はあまり会いたがらない

なので、今日も電話した

「もしもし、俺だけど」

「あっ、祐輔くん?今日はどうしたの?」

電話から聞こえる声はとても穏やかだ

いつも、僕の喜怒哀楽話を聞いてくれる

けども、僕の我慢は限界だ
今日は爽やかな1日が送れそうだ

昨日は楽しかった

多分、千秋は僕のこと好きではない

僕が一方的に思いをよせているだけだ

けど、付き合いの形がなくてもいい

一緒にいる機会を与えてくれるのならば

それで十分だ

それだけで僕は嬉しい

けど…

利用してもいいって?

千秋は言った

どうゆうことなんだ?

一線を引いているのか

壁を作っているのか…

考えてみれば僕は千秋のこと何も知らない

帰り道


今までくだらない話を散々とした


映画の話とか・・・


TVや芸能人がどうだとか・・・


大学の単位の話とか・・・


そんな他愛のない話は面白い




そして、千秋の家の近くへ


もう、今日はおしまいだ


「近くまで来てくれてありがとう」


千秋はここでわかれる気だ


「うん、俺、今日は楽しかった」


「私も」


今日に満足だ


「じゃあ、気をつけて帰れよ」


「うん、あのさ」


千秋は僕の帰ろうとしている足を止めた


「何?どうした?」


千秋はうつむき加減にいった


「あのさ、利用してくれていいよ


つらい時とか悲しいことがあれば、また呼んでくれていいよ・・・


じゃあ、ね」


そして、僕の返答を待たずに千秋は帰っていった

待ち合わせ

千秋の方が先についていた
「今日はどうするの?」

「んじゃ、映画でも行くか」

前からみたかった映画に付き合ってもらった



映画

サクセスストーリー

主人公は紆余曲折しながらも成功を手にいれる

しかし、見えないところで大切な人を失っていた

内容はとても悲しい

隣には千秋

僕は意識している

千秋を見ると

映画の明かりに反射してみえる
千秋の涙が溢れていた

僕は彼女を失いたくない

たとえ

二人の

縁がなくても

千秋が僕のことに興味がなくても

僕はたまらなくなり、千秋の手をぎゅっと握った

柔らかく温かい手

千秋はビクッと反応した

驚いているようだ

しかし、僕の手を振り払わず

ぎゅっと握り返してくれた

僕はそれだけで幸せだ

しかし、映画が終わるころには手は離れていた

さりげなくほどかれた手

けど、僕の手はまだ温かい

ある夜、千秋ちゃんに電話した


「あの、祐輔だけど・・・」


千秋は突然の電話に驚いていた


「どうしたの?突然」


「あのさ、


前、


話なら何でも聞いてくれるっていってくれたよね?」


「う、うん」


戸惑っている


「だから、話したくて電話した」


「そっか、」


千秋は穏やかだ


「あのさ、俺、悩んでるんだよね


いろいろと、


もしさ、好きって思える人が近くにいたら


告白したほうがいいのかな?って


・・・友達が聞いてくるんだよね」


「うん、私が思うに、相手とのタイミングじゃないかな?


相手を傷つけないタイミング。。。


よくわかんないけど、


私に恋愛話するのは間違ってるよ


経験そんなにないし。」


僕は唐突な人間だ


整理もついてないことを口にする


「あのさ、今度、会えないかな?俺と・・・」





僕は千秋と会う約束をした