ひとは大切なことを忘れていく。
けれども、そこに抗おうともがくことで生を獲得するのだ。
ーー小説 君の名は。解説より
昔からよく下を向いて歩いてた。
足元が不安。
ではなく、上を…前を見て歩くことが辛かったのかなって思う。
いろいろあったし
それを選んできた。ということも無自覚だった
ツラくても前を向く
悲しくても上を向く
そんな漫画の主人公が好きで
恋してる主人公が可愛くて
いつも逃げ場だった
大人になるにつれて
2次元って結果うまくいく
現実はそんな甘くない
なんてわかりきってたはずのことを突きつけられてる気がした。
それでも
下を向いてたらいけない
下向いてたら涙は溢れる
何にも気づけない
だから
涙がこぼれないように上を向く
周りをきちんと見るように前を向く
そんな風に過ごすようにした。
だからかな?
見上げた空がきれいだと気付けた
空が好きになった
青空が
雲の模様が
夕暮れが
空の色の変化が
星が
月が
好きになった
帰り道
夜に空を見上げて
街の明かりがあってもかすかに見える星が1つでも見つかると嬉しかった
それは今も変わらない
新海誠監督作品はそんな私にぴったりだった
風景の描写がとてもきれいで
あぁ私もこんな風景みたいなって
新海さんの目に見えてるなんでもないのかもしれないけど素敵な心奪われる風景が
映像を通して見せてくれてる
新海作品の小説は今回、「君の名は。」で初めて読んだ。
映画ではわからないキャラクターそのものの心情がありありと書かれていた。
現実ってこんな感じ。
もどかしさと歯がゆさと
もちろんフィクションならではのいいなって思う箇所だってある。
新海作品の好きなところ
でも、逃げ場だった頃のそれとは違う
そんな気がしてた。
そして今回、解説を読んでストンと心に落ちた。
それが冒頭に書いた言葉
ひとは大切なことを忘れていく。
けれども、そこに抗おうともがくことで生を獲得するのだ。
ーー小説 君の名は。解説(川村元気)より
あぁそうだ
人の無い物ねだりはこれだ
よかったことより辛かったことのが記憶にある
つらいことに抗ったから記憶に残る
それが生きてることに繋がってる
そんな風に思った
だから新海作品は心に残るのかな?
ハッピーエンドだけが正義ではない
つらい記憶も含めて生きた証
それぞれの今を生きてる証なんじゃないか。
今日もいろいろあった
明日もなんとか頑張ろう
なんて言えるのはそういうことなのかな
つらいねって言える友人ができて
頑張ろうって言い合えて
それが生きてることなんだって
久しぶりにすごい暗い気持ちに支配されかけたけど、なんか救われた気がして
すごく泣きたくなった。
今日は雨だから
見上げた空に星はないけれど
またいつかツラくても
空に星があればふっと笑顔になれる気がした
そんな1日だった






