今回は手法毎にまとめてみた。コーティング関連には、撥水、疎水、親水とまた細かいジャンルがあるがそれはより細分化された内容になるので今回は触れない。
ガラスコーティング、ポリマーコーティング、ワックス、スプレーコーティングこの中で…
一番傷がつきにくそうなのは、ガラスコーティングだろう。ただ、あくまでこの中では成分的に一番硬いと目されるという理屈だけの話で、普通に使っていれば4種類とも全部傷はつくし、そこに硬かったから傷みが少なくて済んでいるという体感はおそらく得られないだろう。同じ洗車の仕方をしたら他のものと同じような感じに傷はつく。
一番長く塗装面に残るのは、ガラスコーティングとポリマーコーティングだろう。3~5年というところか。ただし、ガラスコーティングもポリマーコーティングも寿命があり、ポリマーの場合は成分が変質してしまうのに、塗装面にそのコーティング残滓が残り続ける、ガラスコーティングは成分が変質しないかわりに、自然にクラックが発生し小傷と重なりもうコーティングとしての用をなさないのにそこに残り続ける、しかもポリマーより硬く除去が困難。ともにそれ以降はより初めての時より高い金額で再施工が必要。
一番簡単に除去できるのは、ワックスだろう。この点スプレーコーティングも同じような持続力だし悩んだけれど、一番簡単に「綺麗に」除去できるのはやっぱりワックスだ。ワックスは昔からあるものなので、比較して構造も単純明快。除去の方法も油脂を取るだけなので目に見えてわかる。一方でスプレーコーティングは、いろんな理屈でいろんな成分を混ぜてしまい、長持ちさせる工夫としてはがれにくいものを採用したりする過程で中途半端な成分になっている可能性が非常に高い。例えば、ボンネットの中腹の6カ所だけいつまでも撥水し続けるのに、他の場所がそうでなくて、ムラになって部分部分でギラギラするとか汚く見えるようになったとかそういったトラブルが絶えない。そういった点でも性能としては低下するのは早いが、一方で古い残滓がこびり付いたままという事になってしまいかねない。液剤が不安定ということか。
そういった意味で一番トラブルが起こりやすいのはスプレーコーティングだろう。ただし、より楽で、より綺麗で、よりすごいという体験をしたいユーザーにとっては、だ。比較的新しい人を引き付けるような効果を見せつけるような製品は、危ない点が多々あり見聞きするトラブルの主たるものになる。一瞬のパフォーマンスで引き付ける必要があるので、中身はより過激に、後々使い続けるとどうなっていくかなんてことがおろそかになる。瞬く間に広がり、4~5年後にはどうなるかが分かり、市場から消えるという製品自体を消耗品ととらえるマーケティング手法だ。ユーザーはが施工した瞬間がすべて、その時どうエキサイトに感じてくれるかが製品の主目的であって、その後の事は問わないのが廉価カーケア用品の宿命ともいえるが、パフォーマンスにより主眼がいく分、より悪くそれが出た印象だ。面白いことにそういった製品寿命を迎えそうになると、出てきた欠点はカバーされました的な次の商品が出てきて、延々と消費者はそこに振り舞わされる。だから、そういった製品が消える事はない。
ただし、トラブルがおこりにくいのもまたスプレーコーティングだ。上記のようでない限りは、トラブルがない製品は比較手的前からある古めの製品でコストパフォーマンスとしても買いやすい、質もその価格としては満足、と言われている物は多い。効果が弱い代わりに、塗装面をいたずらに消費者が困るようには変化させない。効果が弱いのはそのまま塗装面への液剤によるトラブルを抑えられるといったメリットがある。
一番塗装面を削らないのもスプレーコーティングだ。傷を消すためにより深く塗装面を削る事になるのがガラスコーティングで、その次にポリマーコーティング、最後に微々たるものだけどワックス。ただし、スプレーコーティングは小傷を晒すので綺麗というわけではない。
一番艶が出るのはワックスだ。油脂さすがに油脂。コーティングのような乾いた艶では限界がある線を軽々と乗り越える。小傷も見えなくなるし。
一番敷居が低いのは、意外とポリマーコーティングだろう。ガラスよりも高くないし、みんなやってますよ、みんなやっているのになぜやらないのですか?って言われれば、やるよね。それが言いやすいのがこれ。デメリットがあってもみんなそのデメリットに諦めているから、みんなで諦めれば怖くないって事かも。大衆心理。
しかし、書いていて思ったけど、なんだか細かな理屈で、塗装面にやさしいとか、小傷がつかないとか、長持ちするとか、しないとか、変質するとかしないとか、だからキレイ!長持ち!最高!って言うのが、実はそうでもないような気がしてなんだか市場にうまい事踊らされているなって気がしてきた。これがメリットですよってセールスされてきたことがつきつめると、そうでもないケースは多いと思う。でも一般ピーポーとしては自分より詳しい人が言うんだからそうなんだろうって思うっていう。そこまで興味がない人が大勢いるから今のセールス手法になっているんだろうなと。ここまで、考えて、多少疲れた。