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君と日々*22

悲しい映画を観た。



すごくすごく、悲しい映画。




1940年代のヨーロッパの話。





悲しいのはわかってたし
実話ではないのもわかってたけど



親子が引き裂かれたり
兄弟が引き裂かれたり
友達が死んだり



優しい人に出会ったり




現代の平和すぎるこの国では
想像すらしない、悲しい事を

観たり、イメージさせる作業は


いったいなんの意味があるのだろうか。



この涙に、なんの意味があるのだろうか。





私からしてみたら、なんと異常な世界で
なんとも残虐な考えを持っている人が大半で



こんな世界があったなんて
こんな人たちがいただなんて








「意味のない、涙が出る・・・。」




つい、うっかり
此処に立ち寄ってしまったものだから

オーナーの前で、また、思い出して泣けてきた。




珈琲は苦くて、ミルクをたっぷり入れてもらって
カフェオレにしてもらった。




行き場のない、心が押しつぶされるみたいな苦しさ。

微かに聞こえる優しい音楽と、カフェオレのミルクの甘さが
滲みる。






「意味、ないの?」


「・・・意味、ないよ。」





オーナーの声は、低くて、
空気が、優しくて

押しつぶされた心が、じんわりとあったまる。







「涙が出るのは、いいことだよ。」






なにか、返さなきゃって思ったけど
なんか、もっと泣きそうで
なんにも言えなくなった。


クセになりそうな、心地よさで
胸がいっぱいで


心臓をぐっと、両手で押さえたんだ。