今月 読んだのは…
SF系( 特殊設定 )・本格ミステリー
「 Butterfly World(バタフライ ワールド)最後の六日間 」
岡崎琢磨
SF & 文学系、その他の 短篇集
「 ガーンズバック変換 」 陸秋槎
ミステリー
「 呪殺島の殺人 」 萩原麻里
エンタメ系・ミステリー人間ドラマ
「 君のクイズ 」 小川哲
の4冊。
まずは「 殺人が起こる 」タイプの ミステリー2冊から。
「 Butterfly World( バタフライ ワールド )
最後の六日間 」
岡崎琢磨
SF系( 特殊設定 )・本格ミステリー。
現実がイヤで「 蝶の翅 」を持つ “バタフライ” が アバターの
VR空間、「 バタフライ ワールド( BW )」に 引きこもっている アキ。
「 BW 」で よく行動を共にする マヒトから「 ログアウトしない者 」の情報を訊いた アキは 後日、
マヒトの情報をもとに 2人で 彼らに会いに行くが 門前払いを受けてしまう。
しばらく外で 様子を窺う アキたちだったが、そこに「 BW 」への クラッキングが発生、
突如現れた「 半透明の壁 」によって 彼ら「 紅 」(くれない)が 暮らす「 紅招館 」( こうしょうかん )が建つ 領域内に
閉じ込められてしまう。
復旧まで「 館 」に入れてもらう事になった 2人だったが、
翌日「 紅 」のひとりが「 腹部に ナイフが刺さった 」状態で
亡くなっているのが発見される。
だが「 非暴力 」が徹底された「 BW 」では「 殺害 」どころか 危害を加える事すら 出来ないはずで……。
著者は『 珈琲店タレーラン 』の人ですね。
「 青春モノ 」が得意らしく?、あまり興味は なかったものの、本作は「 VRミステリー 」って事で気になってた 作品。
あと『 鏡の国 』も なんか面白そうなので 読むかもしれません。
「 あらすじ 」から わかる通り、
「 暴力を行使できない VR空間での殺人 」が軸となっていて、
それに「 ログアウトしない 紅 」や「 引きこもりのアキ 」、
「 クラッキング犯 」が 絡んでくる…?みたいな「ドラマ強め」な内容。
あと、チョット “重め” だったんですが、最近 “重め” な作品が 多かったんで 読むタイミングとしては 間違えましたね。
「 本格 」に関して言うと、
終盤前に「 読者への挑戦状 」があるんですが、それによると
「 意外性 」よりも「 シンプルな謎解き 」を目指したようで
「 解けそう感 」( ロジカル性、本格度 )は 高めに思えました。
なので 個人的には 面白く読めましたが、
結構 “気付く” ところもあるので、人によっては そこに 物足りなさを覚えるかもしれません。
あと、「 よくよく考えると… 」も 強めな感じ?なので そこに関しても 評価が 多少 影響するかも。
ちなみに「 殺人 」の方には「 密室 」もありますよ。
「 本格度 高め 」ですが「 ドラマの展開 」自体が 面白いので
一般の人も 楽しめそうな感じに思えましたね。
「 呪殺島の殺人 」 萩原麻里
ミステリー。
部屋で 目を覚ました “僕” には「 記憶 」がなかった。
さらに 手には 「 血の付いたナイフ 」が握られ、近くには 女性の死体があり…。
ドアを破り 入って来た人たちの ひとり、“僕” の幼馴染だという 三島古陶里( みしま ことり )によると、
“僕” の名前は 秋津真白( あきつ ましろ )と言い、ここが
かつて 流刑にされた 呪殺者の先祖が 暮らす島「 呪殺島 」の
屋敷で、
殺されていた 女性、屋敷の主で ミステリー作家の 赤江神楽
( あかえ かぐら )が その末裔だと 聞かされる。
さらに神楽は 僕の伯母にあたり、同じく僕も「 呪殺者の末裔 」
だとわかるが、呪術者一族は その「 穢れ 」のため、早逝するらしく……。
タイトルから「 オカルティック 」な雰囲気を期待していたんですが、そこら辺は 薄めでした。
あと、島に行くまでの「港」や「 船に揺られ、潮風に当たる 」描写なども 気分が高まるので 好きなんですが、
「 プロローグ 」的な場面の後、いきなり「 島内の屋敷での
記憶喪失 & 殺人 」の流れで、
さらに「 ライト寄り 」の レーベル「 新潮文庫nex 」という媒体だからか、
主人公も こんな状況なのに “軽すぎ” で 気分的に ノリづらかったです。
しかし「 2体目の死体 」が発見される あたりから 少しずつ
「 ミステリー 」として 面白くなって来るので、最終的には
結構 楽しめましたね。
ただ「 本格 」としては「 程よい 手掛かり 」もあったし、
「 真相 」も 良かったとは 思うものの、
詰めが甘いところも 多く、その度合いは 低めだと 思えました。
もう少し「 ロジカル 」だったり、何かしら「 仕掛け 」があれば( あの設定なら 何かできた )もっと楽しく読めたかもしれませんね。