毎週水曜日は、都内の医療機関で働いています。
といっても自由診療の漢方クリニックためこの時期来院される患者さんは少なく。
昨日の緊急事態宣言を受け、今週からわたしを含めパートタイマーはお休みとなりました。(クリニックは営業中)
今朝は軽く散歩して、8時からzoomで門仲ennのメンバーたちとラジオ体操。
ラジオ体操が終わると、深夜のモロッコのからテレビ電話が入りました。
南部の町ティネリールの友人たちからでした。
久しぶりだったこともあり、あっという間に1時間くらい話しました。
元気?家族は元気?
今そっちは何時なの?今何やってるの?
という一連の挨拶の流れを終え、話題はやはりコロナに。
モロッコではロックダウンが始まってからまもなく1ヶ月が経つそうです。
町には警察が目を光らせていて、許可書なしで外出している人を取り締まっているという、テレビで放映されている欧米と同じような状況だそう。
さらに、必要なものを買い出しに行けるのは家族の中で決められた1人だけとのこと(友人ファミリーでは彼のお兄さん)。
大家族が多いから、誰か一人感染したら最後、あっという間に広まるのは想像しやすい。
感染リスクを最小限に抑える工夫ですね。
幸い、彼らの街ではまだ感染者は報告されていないとのこと(見つかった感染者の外国人旅行者は既に国に強制送還されている)でしたが、みんなちゃんとルールを守っているそうです。
明日からは外出時にマスク着用が義務付けられ、未着用の場合は罰金が課せられる。
僕は外出担当じゃないからずっと家にいるし、マスク必要ないんだ~と言ってました。
あれだけ大家族だったら念のため家の中でもしたほうがいいような気はするけど、換気環境がよすぎるあの家のつくりなら、必要ないかもね。。
何して過ごしてる?と聞くと、
コーランを読んでるよ。との答えが返ってきました。
彼らにとってコーランは人生の手引書のようなもので、今回のウイルス蔓延のような危機的状況に関する記述もあるんだとか。
今はモスクには行けないけれど、おうちで毎日祈り、コーランを唱えているそう。
私はコーランは読めないけれど、きっとヨーガ・スートラやバガヴァッド・ギーターのようなものなのかなと想像します。
コーランの音の響きは好きで、料理中や集中したい作業中のBGMとして聴いたりします。
こんなとき、なにか自分がこれをすると落ち着く、元気になる、安心する、というものがあるといいですね。
わたしはいろいろありますが、毎日欠かせないのは自然に触れること。
もちろん山や海に行ったりはできないけど、庭の植物たちを撫でたり眺めたりすることが、日々の楽しみであり、癒しになっています。
モロッコの様子はSNSで見たり現地在住日本人の方のブログを読んだりしてなんとなく把握していましたが、文字や数字で見てもいまいちピンとこず。。
日本やヨーロッパに比べて元々の医療体制も整っていないこともあるあの国で、しかも大都市でもない小さな田舎町で、みんなはどうしているだろう、どんな風に過ごしているだろう、と気になっていました。
こちらから電話をしてもよかったし、ときどき寝てる間に着信があったこともあったのですが。
なんとなく、こちらからかけることができませんでした。
今思うと、ですが
コロナの影響で、差別を感じるかもしれない。
以前より、(精神的な)距離感を感じてしまうんじゃないか。
というようなことが、心のどこかでひっかかっていたのかもしれません。
様々な国で、北東アジア人(場所によってはヨーロッパ人も)、コロナ感染を広めた原因として差別的な対応を受けた、またそういう思想が広まっている、というような事件を耳にしていたし
モロッコでも、都市部で中国人観光客を対象に差別的な内容をSNS発信した若者がいたとも聞いていました。
(その後、逮捕されたそうです)
あからさまではなくても、どこかにそうした嫌悪感のようなものを感じてしまうんではないか。。
(彼らとしてはそんなつもりがなくとも、わたしが勝手に感じてしまうのでは、という被害妄想も含め)
でも、実際に顔を見ながら話したら、もう、笑えるくらい、いつも通りで。
元気を声が聞いて、いつものリラックスした表情が見られて、とても安心しました。
新たな家族が仲間入りした話などの近況も聞けて、次にモロッコに行く楽しみがまた一つ増えたし。
インターネットという文明のおかげです。
ハムドゥリッラー
こんな状況ですが、同じ境遇を地球の裏側の友人たちと分かち合い、励ましあえるような機会は、人生でそう何度も訪れないでしょう。
そう思うと、すごく貴重で有り難い経験をさせてもらっている気がしてきます。
(不謹慎と思われるかもしれないけれど)
オリンピックが延期になって残念だよ、とこちらが言ったのにはあまりピンときてなかったみたいだけど
ウイルスだけでなく、愛や友情が世界に蔓延していきますように。
そして一日も早く、世界に平和な日々が訪れますように。
インシャアッラー