ティネリールで朝の散歩中に見つけた、タジン鍋工房。
アノワールとナズィーは、ここでタジンのパーツなどを作って組み合わせ、マラケシュに出荷しているそう。
こうやって若手にも、伝統食器を作る技術が引き継がれているのを見ると、うれしくなる。
ちょうど朝ごはんのタイミングだったらしく、一緒にお茶とパンをご馳走になる。
モロッコ料理が大好きで自分でも家でタジンを作ってるんだ〜と写真を見せると、2人とも大喜び。
お昼はここでタジンを作るから、一緒に食べる?と聞かれる。
なんと、タジン工房でタジンをいただけるなんて
今日はいつもの友人たちが忙しくランチ予定もなかったので、ありがたくご馳走になることにした。
お散歩から工房に戻ると、おいしそうないい香りが
タジンの火を止め蒸らしている間に、サラダを作る。
そうそう、モロッコで買いそびれたものの一つ。
どこの家庭にもある、このペティナイフ。
肉も野菜も果物もパンもすべて、このナイフで調理してしまう。
特別切れ味がいいわけでもないのに、彼らの手に渡るとまるで魔法のナイフのように見えてくるから不思議。
工房は比較的大きな通りに面しているのだけど、外は静か。
ここで聴こえるのは、ラジオからの音楽と、野菜を切る音くらい。
「これ(流れてる音楽)は、コーランだよ。聴いてると心が落ち着くし、仕事に集中できるんだ」と、アノワール。
うん、こりゃいいBGMだねぇ〜
インドのアーユルヴェーダクリニックのマッサージ部屋で絶えず流れていた、ヒンドゥーのマントラ音楽を思い出した。
朝から晩まで働いてる、彼らの大切なエネルギー源となるお昼ごはん。
一緒にいただいてしまっていいものか、、と今さらながら躊躇してしまう
そんなこちらの心境もむなしく、もっと食べて食べてと言ってくれる二人。
うう。
どこに行ってもそうだけど、みんな本当に食べ物を分け与える精神がハンパない。。(涙)
わたしにできる、せめてもの恩返しは、
こうして自分の体験を発信することで、モロッコやイスラムの文化や人びとのことを少しでも知ってもらったり、身近に感じてもらうこと。
ご馳走様でした。
ハムドゥリッラー