ティネリールでも、家庭料理を何度かご馳走になった。


この日の夕食は、お料理当番の次女ナディアが作ってくれたクスクス!


金曜日じゃないけど、クスクス!




本場のクスクスは、専用の蒸し鍋で時間をかけて作られる。


下の寸胴の鍋でスープを煮て、その蒸気を使って上の蒸し器でクスクスを蒸す。


クスクスは、しばらく蒸したら取り出して手でほぐす。


それをまた蒸して、ほぐして。を何度か繰り返す。




スープはこんな風に、野菜やお肉がゴロゴロっと。


中までしっかり火を通すけど、形が崩れないようにするのがポイント。


形が残っている方が、盛り付けたときにきれいだし、個人的には食感も残ってより楽しめると思う。




野菜と肉をに盛り付けて、仕上げにスープを回しかけたら、完成!



スリーマン、ノルディン、ハッジャ、ナディア、ノルディンの親戚の男の子(たぶん)と、6人で食卓を囲む。


取り皿はなく、みんなで一つの大皿から取って食べる。


お好みで飲むヨーグルトみたいなミルクをかけて食べる。


クスクスにミルク!?ポーン

とびっくりしたけど、これがさっぱりしていいかんじ。


これが、この旅で食べた最初で最後のクスクスになった。




「イリ、遠慮しないでもっと食べて。ほら、スリーマンを見てごらん。こんなに食べてる!」 


あはは!爆笑


モロッコの人たちはEの発音に慣れていないのか、わたしはEri(エリ)ではなくIri(イリ)と呼ばれていた。


めっちゃ笑顔で「イリ、イリ、イリ〜!」と連呼されると、何を言われても許してしまいそう。 


決してたくさんのご馳走を食べてるわけじゃないし


お酒も飲んでいないけれど


作り手の見えるできたてごはんを、みんなで分け合って食べることで


こんなにも幸せな気持ちになる。




みんなで食べると、おいしいね!


子どもの頃、よく口にしていたフレーズを


クスクスをほおばりながら、イリは思い出すのでした。