35年前、私は初めてタイの地を踏みました。勤める職場の社員旅行で、これまで友人たちから聞いていたタイの魅力に期待を膨らませての訪問でした。

当時は、スワナプーム空港がまだなく、私たちはドンムアン空港に到着しました。空港に降り立った瞬間、エキゾチックな香りと活気に満ちた空気に胸が高鳴ったのを今でも鮮明に覚えています。私たちはそのままパタヤへと向かい、目に映るすべてが新鮮で、異国の地に来たことを実感しました。

パタヤに着くと、ホテルでガイドを待ちながら、異国の風景に見とれ、旅の期待がますます膨らみました。ガイドに案内され、パタヤの観光が始まりました。目に映る美しいビーチ、独特の雰囲気を醸し出す歓楽街、すべてが私にとって初めての経験でした。その日の夕食は、パタヤで有名な海鮮料理店へ。店頭に並ぶ新鮮な魚を選び、料理人がそれをその場で調理してくれるという贅沢さ。次々と運ばれてくる料理の数々、そしてその価格の安さに驚きました。物価の安かった当時、日本の10分の一ほどの料金でテーブルいっぱいの豪華な料理が楽しめたのです。

パタヤでの日々は楽しいものでしたが、最終日にはちょっとしたトラブルも。昼過ぎまでガイドが現れず、私たちはバンコクへ向かうのに遅れが生じました。時間を無駄にしたことに怒りつつも、なんとかバンコクへ移動しましたが、ガイドがやたらと食事の場所を指定してきました。しかし、せっかくのバンコク滞在はその夜だけ、夜の歓楽街を楽しむために、私たちはガイドの提案をすべて拒否しました。その後、ガイドが沈んだ顔をしていたのを見て、後になってから彼が指定する店に連れて行けばマージンが貰える仕組みだと気づきました。

バンコクの夜は期待通りに刺激的でしたが、最終的にはぼったくられてしまうという洗礼も受けました。その話はまた後日詳しくお伝えするとして、こうして私はタイの魅力に触れ、その後も35年にわたって訪れることになるのです。

これからも、私のタイ歴35年の旅をお楽しみに。