人々がキラキラと輝いた街に浮かれる12月。又の名を師走。今年も一年、頑張った人々が気持ちよく年を越せるように、やり残したことがないように全力で駆け抜ける月。


例に漏れず、私も師走を全力で駆け抜ける社会人の一人である。

毎日毎日同じ繰り返しではあるが、目まぐるしく忙しい日々の中、いつものように仕事が終わり、電車に乗ってまっすぐ帰宅していたはずが、ハッと気が付くと何故かスカイスパYOKOHAMAがある高層ビルのエレベーターに乗り、14階のボタンを押していた。

そしてまた気がつけば、アロマのいい香りに包まれたサウナ室にいた。

ここはどこだ?何故私はここに?と野暮な考えが顔を出す隙を与えないほどに、その空間は心地よかった。

温度は75℃とそこまで高くないが、じわじわと汗が止まらないのは湿度とのバランスの絶妙さが故だろう。

微かに流れている音楽が神秘的で非日常を感じる。

私はその心地の良い空間の中で、最近の悩みや焦りが滴る汗と共に落ちていくのを確かに感じた。

いつもはしっかり時計を見てきっかり12分でサウナを出るのだが、今日は違った。時間に縛られる事なく、ただ自由に汗を流し、整いたいという欲求にかられた。

もう何分サウナ室にいただろう、、、これ以上汗は出ないと思ったところで私はキンキンの水風呂へ。

こんなに気持ちがいい水風呂が、世の中にあっていいのか、、、首までしっかり水風呂に浸かり、白いタイルイスに横たわる。

顔には、整うのに邪魔にならない程度にミストがふりかかる。顔の乾燥を防ぐ為だろう。

休憩をしている間の記憶はほとんどないが、微かに聞こえる鳥の鳴き声を聞きながら、あぁ、私の鳥になりたいという夢は叶ったのだなと思った。


人々が忙しなく働くビル街に並ぶスカイビルの14階、そこには嫌な現実を忘れさせ、良い夢を見せてくれる不思議な空間が広がっている。

明日はあなたが、この不可思議な体験をするかもしれない。