弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
前代未聞です。
2023年5月、大阪地裁での裁判のやりとりを録音しようとした弁護人(弁護士)が、裁判所から退廷を命じられるということがありました。、かも手錠つきで!
さらに、この弁護士は過料3万円を言い渡されたということです。
根拠法は「法廷等の秩序維持に関する法律」です。
同じ弁護士として、裁判所の対応は疑問です。
証人尋問などでは、速記や調書が作られますが、正確性という観点では録音があった方が確実です。実際、調書には間違いがみつかることもあるし、かならずしも全部が反訳されていません。
もちろん、秩序維持という観点から、必要な場面があることは必ずしも否定しませんが、はたして、裁判の経過を確認するための録音は、制裁・手錠まで課すほどの大罪なのか?
他にも、たとえば警察署や拘置所で、「警官の暴行を受けた」と言われ、弁護人としてはそのアザなどを写真撮影したりしたいときもありますが、それも制止されることがあります。それでは証拠保全もできません。
このように、一律禁止されることは、裁判で争う者としては、承服しかねます。
実は、以前は、裁判所でメモを取ることも禁止されていました。
それを裁判で争った方がいて、30年ほどまえにやっと傍聴席でメモがとれるようになったという経緯があります。
裁判所の対応は時代に乗り遅れているように感じます。