弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
神戸市の小学校での教員間のいじめ事件が話題になっています。
神戸市教育委員会は、第三者委員会を立ち上げて原因や背景について結論をまとめさせる予定のようです。
事件事故など不祥事が起こると、このごろの会社はすぐに「第三者委員会」を立ち上げます。
しかし、不祥事や事件事故に対して、第三者委員会を立ち上げる必要がどれくらいあるのでしょうか。
単に不祥事を起こした職員・従業員に制裁を与える(懲戒など)ための調査であれば、それは会社・当局が自らの責任として行うべき問題です。それを第三者委員会に丸投げしたとしたら、当局の責任放棄・責任逃れになりかねない。
ほんとうに公正中立な第三者に依頼するのであれば、単に、原因当事者だけでなく、会社や当局そのものにも問題がなかったのか、きちんと調べる必要があります。つまり、自分自身のウミも出し切る覚悟が必要です。
それをしなければ第三者委員会を設置する意味はありません。
率直に言って、いま世間ではやっている第三者委員会の中には、そのような公正中立な第三者として幅広い目で原因や背景について調査して、会社・当局そのものに対しても強く苦言を言ったりすることが少ない。
企業のコンプライアンス、コーポレートガバナンス、社外取締役、など不祥事防止のためいろいろな制度ができました。しかし、それらはあまり機能していないように思われます。
第三者委員会が、社内の問題を隠ぺいする手段として使われないよう、みなが監視する必要があります。