公正取引委員会と芸能界からみる優劣関係 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
最近、報じられたニュースから。
 
・人気の某アイドルグループの元メンバーが出演できなかったことについて、元所属事務所が圧力を掛けた疑いがあるとして、公正取引委員会が注意した
 
・反社会勢力の問題で指摘されていたお笑い事務所に対して、公正取引委員会が、芸能人との口頭での契約は望ましくないと指摘した
 
また、公正取引委員会とは異なりますが、人気の某朝ドラが再放送されるようになったのも、なにか関係があるかもしれません。
公正取引委員会は、優越的地位の濫用や取引妨害に当たるおそれがある行為に対して、是正指導する立場にあります。
 
独占禁止法に基づくものです。
 
芸能人など、一般人の目から見れば、恵まれていて、お金も社会的地位もありそうな人も、所属事務所やマスコミなどとの関係では、弱い立場にあります。
「優越的地位」を利用することに対しては、是正指導することは重要です。
 
ひるがえって考えてみると、雇用関係ほど、使用者・会社と労働者との間の立場の優劣が明らかなものはありません。
政府は「専門職などは使用者と対等だ」などといって残業規制を外したりしています。
 
しかし、いまのべた芸能人などの例を見れば、能力のある人でも、しょせんは雇われる側は、弱い立場にあります。
 
労働法は、労働者という弱い立場の人をまんべんなく保護している法律です。
専門職とか管理職だからといって、労働法の保護の対象から外そうとするのは間違っています。
 
芸能人のニュースを見て、あらためて、法律によって、弱い立場の人間を保護することの重要性を理解してほしいと思います。