有給休暇を取得したときに賞与を下げるのは公序良俗違反 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
以前、「有休で休んだら賞与が0になりました」という相談を受けたことは昔、blogに書きました。
 
労働基準法附則136条では、有休取得した労働者に対して賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければならない、と定めています。
この附則に従えば、賞与のカットは賃金のカットと同じ話なので、違法になるはずです。
 
しかし、裁判所は煮えきれないところがあって、有給休暇の利用を抑制したりするほどのものでなければ無効とはいえない(最高裁平成5年6月25日判決)、としています。
 
最近の裁判例でも「有給休暇の取得はを何らかの経済的不利益と結びつけることはできるだけ避けるべき」「その措置が、その趣旨目的、労働者が失う経済的利益の程度、有給休暇の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を考慮して、労働者に有給休暇取得の権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合には、公序に反し無効となる」(さいたま地裁H30.2.23判決」とされています。
働き方改革で有休取得を奨励している昨今、有給と賞与を連動させたら即刻違法無効となるとするべきだと思いますが、どうでしょうか?