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「石綿労災、補償額倍に 嘱託時中皮腫、正社員賃金で算定 名古屋西労基署」
毎日新聞の4月16日付けの記事です。
「正社員時代に吸ったアスベスト(石綿)が原因で中皮腫を患い、名古屋西労働基準監督署から労災認定された浜松市の男性が、嘱託社員時の低賃金に基づいて補償額が算定されたのは不当として不服審査を申し立て、労基署は定年退職前の賃金に基づいて補償額を見直し約2・2倍に増額した。‥【大島秀利】 毎日新聞2018年4月16日 大阪朝刊」
毎日新聞の4月16日付けの記事です。
「正社員時代に吸ったアスベスト(石綿)が原因で中皮腫を患い、名古屋西労働基準監督署から労災認定された浜松市の男性が、嘱託社員時の低賃金に基づいて補償額が算定されたのは不当として不服審査を申し立て、労基署は定年退職前の賃金に基づいて補償額を見直し約2・2倍に増額した。‥【大島秀利】 毎日新聞2018年4月16日 大阪朝刊」
労災の補償内容は、労災発症時の賃金額(厳密には「発症前3カ月の平均賃金」)を基準にして、休業補償や遺族年金の額を決定します。
アスベスト疾患は、発症するまでの期間(潜伏期間)が最長40年とされています。したがって、発症した時期を確定することが難しいことも多い。
そのため、労災発症時が賃金が高い時期なのか低い時期なのかによって、補償内容には、天国と地獄のような落差が発生します。
現在、労基署は、定年退職後再雇用の場合には厚生労働省と協議をして労災判断をしているようです。
発症時期の認定に困難があるケースでは、労働者の不利益にならないような仕組みを作る必要があると、患者団体は主張しています。
そのことには同意します。
しかし、もっと遡ると、被災労働者の生活保障という面を持つ労災の制度論からすると、生活可能性という観点から補償内容を決める方が公平ではないでしょうか。
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