トイレ休憩 -どこまで労働時間か(5) | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
どこまで労働時間といえるかシリーズの中で、読者様からこんな質問がありました。
「トイレ休憩は労働時間になるの?」
 
まさかこんな質問を受けるとは思いませんでした。
ただし、ブラック企業では、就業規則でトイレ時間を賃金カットするところもあるとか…
    ゾッとします。
 
さて、復習です。
 
<裁判所の考え方>
労働時間
とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが出来るか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約の定めのいかんにより決定されるべきものではない」(最判平成12年3月9日三菱重工事件)。
 
この裁判例からも分かるとおり、
労働時間は就業規則によって決まるものではありません。
就業規則でトイレ時間をカットすると書いてあっても無効です。(さっきのブラック企業はアウト!)
 
使用者の指揮命令下に置かれたものと言えるかどうかだけが基準です。
 
トイレについて考えてみましょう。
・トイレ休憩は、
 職場でいっせいに取得するのものではありません。
・トイレのときも
 仕事のことを忘れることはまずありません。
・トイレは短時間で戻ってきます。
・トイレから戻ってきたら
 すぐに仕事をしなければなりません。
・「会議中なので少しトイレ行くのは少し待ってくれ」
 と言われることもあります。
・トイレをガマンしたところで
 仕事の効率は悪くなります。
 
<結論>
トイレ時間は仕事とつながっており、労働者に休憩する完全な自由はなく、業務の指示があればすぐに従わなければらない状態です。
使用者の指揮命令下から離れているとは言えません。
したがって、労働時間でないという理屈はあり得ません。
 
安心してトイレに行きましょう!
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