弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
一度でも弁護士に関わったことがある人であれば、「内容証明郵便」を見たことがあると思います。
1枚当たりの文字数が20×26文字の、仰々しい郵便です。
まわりの弁護士は、この内容証明郵便をけっこう多用していますが、萩田はほとんど使いません。
その理由は、内容証明郵便の効力を考えてのことです。
証拠としての効力
内容証明郵便は、郵便局が、手紙の内容、差し出し日付け、送付された日付けなどを証明してくれます。たとえば、クーリングオフ、契約の解除・取消、債権放棄、時効の中断などです。あとで争いになることが多いときには、内容証明郵便に意味があります。
萩田も、残業代請求の時効中断のときには内容証明郵便を使っています。
また、債権譲渡の通知などは、確定日付けが必要なので、内容証明郵便を使わなければなりません。
ただし、証拠的な意味合いていどであれば、いまは、FAXや電子メールなどでも出したことの証拠が残ります。
いまや、内容証明郵便の価値は下がっていると思っています。
相手方への心理的圧力(プレッシャー)
萩田は、それ以外の場面ではほとんど使いません。
「なかなか支払ってくれない相手に対して内容証明郵便で通知を出しただけで支払ってくれるなど心理的圧力を与えることができる…」このように言う弁護士がたくさんいます。
しかし、萩田は、そのような効果はほとんどないと考えています。むしろ、内容証明郵便を出して、相手方が態度を硬化させることも多い。
一昔前ならいざ知らず、弁護士が心理的圧力をかけるだけの通知を多用するのはアウトローな考えであり、いかがなものでしょうか。通常の郵便でもいいし、電話一本でもすみそうなことも多いはずです。
内容証明郵便は、けっこうな費用がかかります。
依頼者の負担でそれだけのものを送る価値があるのか、弁護士はもっとよく考えるべきです。
依頼者の負担でそれだけのものを送る価値があるのか、弁護士はもっとよく考えるべきです。