未払給与を効率よく差し押さえる方法(先取特権) | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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こんにちは、弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

 

未払給与を効率よく差し押さえる先取特権は便利です。

 

15年前の紙上相談

 

すごい昔(2002年5月21日)、神戸新聞に、「雇用主が夜逃げ-財産散逸する前に先取特権」という法律記事を書いたことがあります。

 

「アルバイト先である電気店の経営者が夜逃げしました。バイト代の代わりに店の商品をもらうことはできませんか」という紙上相談です。

 

そのときは、「バイト代(法律的には「賃金」)が未払いの場合、従業員は雇用主の総財産の中から優先的に支払いを受けることができます。これを先取特権(さきどりとっけん)といいます(民法306条、308条)。」と回答しました。

 

その後、弁護士をやっているなかで、この先取特権は何度も使いました。

 

他の弁護士が先取特権を使って差し押さえたという話しはほとんど聞かないので、先取特権を使っているのは私だけなのか?と自問することもあります。

 

先取特権はたいへん便利、有効

 

しかし、先取特権を使うことほど便利なことはありません。理由は、

 

・時間がかからない
・書類も少なくてすむ
・保証金を積まなくてよい

 

先取特権に基づいてたとえば銀行預金の差し押さえを申し立てると、裁判所に申したてて数日後に銀行口座などを差し押さえてくれます。

 

労働審判で数か月、訴訟で1年ちかくかかることを考えると、これほど迅速な手続きはありません。

 

また、裁判所の預金差押命令は、俗に「本差し」と言われています。仮差押え(仮差し)は保証金を積まないといけないのに、先取特権に基づけば保証金なしです。

 

これほど便利な手続きはないと思います。

 

もちろん、きちんと書類を揃えておくことが肝心です。ノウハウある弁護士に頼んだ方が早いのも事実です。

 

まとめ

 

未払給与を効率よく差し押さえるには、先取特権による預金差し押さえなどが便利であり、もっと利用しましょう。