こんにちは、弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
別のところで、通勤途中のケガの話をしました。
通勤途中の交通事故はけっこうあります。
通勤途中だけでなく、仕事中、自動車で移動しているときに交通事故に遭うこともあります。
そのため、交通事故と労災の問題は弁護士としてもよくよく関わる問題です。
結論から言うと、仕事中の交通事故の場合、自動車保険と労災が使えます。その違いはかなり結論を左右するので、いろいろな手段を検討する必要があります。
保険会社の補償内容と労災の補償内容
交通事故の被害者の場合、労災だけでなく、加害者(またはその保険会社)に治療費などの支払いを求めることができます。
通常、ケガをしてすぐに労災請求する方は少ない。
多くの人が、保険会社に書類を提出した上で保険会社が治療費を支払う手続きを取っています。
そして、労災側も、自動車保険がある場合は保険を先行させ労災を後回しにするよう指示することが多い。
最終的には、保険と労災は調整することになります。
ところで、自動車保険と労災は、それぞれ有利不利があります。
・給付内容は自動車保険の方が有利なものが多い(慰謝料などもある)
・労災には、保険給付以外に特別支給金がある点が有利
・労災は過失相殺がない(自動車保険では大幅減額もあり得る)
過失相殺と後遺障害認定
弁護士実務をしていて任意保険と労災の違いが大きいと思う最大のものが、過失相殺です。
被害者に過失があると、自動車保険の支払いが、一気に減ってしまいます。
そういうときは労災があって感謝します。
また、後遺障害の認定で、労災と自動車保険とで異なる結論を出すことがあります。
最近も、自動車保険(自賠責)では後遺障害が認定されなかったケースについて、労災請求をして神経症状(後遺障害14級)を認定させたことがありました。
この過失相殺や後遺障害認定についてある程度見込みを立てながら、有利な方法で処理していくのが弁護士の仕事です。
まとめ
このように、自動車保険と労災の違いはかなり結論を左右することが多い。
仕事中の交通事故の場合、ここで述べたような違いをふまえて、どういう手段をとるか検討しましょう。
追伸
梅雨入りしました。いまのところそれほど降っていません。
通勤といえば、私も自転車と電車で通勤していますが、雨の日は神戸の坂道を自転車で通うのは怖い(すべる)ので、駅まで歩いて行くことも増えます。帰り道は上り坂なのでたいへんです。