私は、山が好きだ。
山にハマったのは、45歳だ。
37歳から山には登り始めていたものの、まだ素人の域を出ない、ちょろっと登る程度。
45歳のときに、登山家戸高雅史さん(通称まさ)に出会ってから、人生が変わる。
2005年から仲間と始めたキッズリーダーシップキャンプ(ファミリーツリー主催、現在も続く)を、
翌年2年目からアウトドアガイドをお願いしたのがきっかけだ。
富士山の双子山に登り過ごした時間は本当に稀な体験だ。
特に、ご来光を見た時に、その子どもたちのピカピカした顔。
じーっと太陽が昇るのを見ている姿は、とても美しかった。
そこには人も富士山も宇宙もみんな一つ。
大きなものに抱かれる経験は、私には忘れられない体験となった。
その翌年、彼のガイドする富士山や、山中湖周辺の山歩きをきっかけに、
屋久島へ。
屋久島では沢登りをした。
沢をじゃぶじゃぶと歩いてゆく。
彼は、一番安全なルートを歩いてくれるので、そのすぐ後ろを歩くと安心。
しかし、ちょっと頑張って歩いている私がいた。
写真を撮るのが好きな私は、
(屋久島はピカピカといろんなものが輝いているので、撮るのが楽しい。)
何せ川の中を歩いているから、カメラが濡れないようにザックにしっかり入れてある。
写真を撮るたびに、ザックから出し、ジッパーの中に入れてあったカメラを出し、
写真を撮り、そして、またジッパーに入れ、ザックに入れる。
夢中になって撮っていると、もうガイドや仲間ははるか前を歩いている。
川の中はコケが生えて滑りやすかったり、深い箇所があったりするので、十分気をつけながら歩く。
そういうところを、まさは回避して沢の中の安全なルートを歩くのだが、彼らが先に行ってしまうと、そのルートが全くわからなくなる。
ひとりで歩かざるを得ない。
その時に、自分の足の裏を感じ、視覚で確認して一歩一歩を自分の感覚で歩く。
すると、まさの真後ろにいて歩くよりも、歩きやすかった!
最初、「?」と自分の中で感じた。
ガイドさんの後ろを歩くと、ガイドさんはその気配を感じてペースを調整してくれたり、
ガイドさん自身のエネルギーでホールドしてくれるので、歩きやすいのだ。
下山してから気づいたのは、
ガイドのまさの体格、足の長さや強さ、体力と、私の体格、足の長さと体力は全然違う。
私が一番歩きやすいと感じるのは、私にあった歩き方だ。
それをまさにメールをしたらものすごく喜んでくれて、
「山登りを通して、自分が伝えたかったのは、自分の感覚を信じるってことだったんだ」と返信をくれた。
それもとっても嬉しかった。
その時に、自分の感覚を信じていいんだ、とわかったこと。
でも、その当時はまだまだ山登りの範囲でのことだった。
まさのガイドによる山は、本当に根本というか、生きていくためのベースに気づいてゆく山で、
毎回、毎回、それを感じて、私が変化していった。




