私が高校一年の冬
まだ真面目に勉学に励んでいた頃の話しです
外は夜半から降りだした雪で
し~んと静まりかえる中
期末試験に向けて勉強中でした
時間は夜中の3時頃
家族は就寝中で起きていたのは私ひとりです
その時
家の玄関のチャイムが鳴りました
「ピンポ~ン♪」
んっ?
こんな夜中に?
しかもおかしな事に
家の玄関のチャイムはボタンを押すと3回チャイムが鳴るはずです
それが何故か1回しか鳴らなかったのです
変だなぁ~と思いつ
一階に降りて玄関の引き戸を開けました
しかし
そこには誰もいません
家の玄関は道路から5mほどコンクリートのアプローチがあります
そこには雪が5cmほど積もっていたのですが足跡はありません
道路の雪も無垢のままです
今から思うと不思議なんですが
そんな状況ならば普通ならゾッとしてもおかしくないはずですが恐怖は少しも感じませんでした
そこへ母が起きて来ました
「今チャイム鳴ったよねぇ?」
「うん・・・でも誰もおらんし足跡も無いよ?」
「あらぁ・・・」
「誰か亡くなられたかもしらんねえ」
母はちょっと不思議ちゃんです
霊が見えちゃうとか
そう言う類いではありません
予知夢を見たり
危険を未然に察知したり
謂わば
家の安全を見守る予測装置的な能力を持った人です
そんな母の能力についてはいずれブログに書いてみようと思います
話しを元に戻します
その時はそれで母も私も部屋に戻りました
その日の朝
7時頃に電話が鳴りました
祖父の幼馴染みで弁護士をなさってた方が亡くなられたとの知らせでした
私も幼い頃からとても可愛がって頂いた方です
母が言っていた誰かとはこの方だったようです
だからあの時
恐怖を感じなかったんだとストンと腑に落ちました
後で聞いた話しですが
チャイムが鳴った3時頃は危篤状態だったそうです
その今際の際とは
どのようなものか知る由もありませんが
自分も世話になった方々に
挨拶に行きたいものだと思いました
「じゃあお先に♪」
こんな風に
軽やかに♪
― 完 ―