「兄さん、チョコあげる!」

今日はバレンタイン。今年もマリアが僕(マイラ)にチョコを贈ってくれた。
でも…

「…マリア、コレってもしかして手作りかい?」
「ん? そうだけど、どうかしたか?」

マリアの手作りチョコは、はっきり言って凶器だ。
どうやって作っているのかは知らないけど、昔から食べた後必ずと言っていいほどお腹を壊す。

本当に、どうやって作ったらこんなモノができるのか不思議でならない。

「もしかして、零度君にもこのチョコを…?」
「うん、これからあげてくるんだ!」

…零度君、ご愁傷様。
せめて胃薬ぐらいは用意しておいてあげようかな。
そんなことを思っていたけど、僕には可愛い妹(マリア)の手作りチョコを食べないという選択肢はない。

マリアは早速零度君の所に出かけて行った。
白いニットワンピース、赤いマフラー、花の髪飾り…。普通に考えて、ただのデートじゃないか。
零度君の反応が目に浮かぶようだよ、もう。

「…今年は何作ったのかな、マリア」

綺麗にラッピングされた箱を開けて中身を確かめてみる。
今年は、ブラウニーを作ったみたいだ。まぁ、見た目的には。

「いただきます」

味を想像して苦笑を洩らしながらも一口食べてみる。
おいしい、けど…。



結局その日、僕が想像通りにお腹を壊したことは言うまでもないかな。
零度君もこれから大変だろうなぁ、なんて僕は他人事みたいに考えていた。


End.