人を惹きつける求心力
志ある者は事竟に成る(ことついになる)
私の座右の銘の一つです。崇高な志があれば、障害や困難に会おうとも成し遂げることができる、という訓示です。
先日、私が講師として登壇した女性活躍推進のあるワークショップがありました。冒頭のアイスブレイクにて、「女性リーダーといえば?」という質問に対し、参加者は「澤選手」とか「サッチャー首相」など、ワイワイ話を膨らませます。皆さんの声に耳を傾けつつ、私の中では、ある一人の女性に想いを馳せておりました。
アウンサンスーチー女史。
旧ビルマの民主化に全人生を懸けて活動する、ノーベル平和賞も受賞した女性です。
The Lady より
思えば一番最初に、アウンサンスーチーさんに興味を持ち始めたのは、テレビ朝日の報道局にアルバイト勤務していた大学生の頃。ReutersやAP通信から届く映像を簡易和訳して記者さんたちに届ける仕事をしておりました。
このアルバイトで、たびたび「アウンサンスーチー」さん関連のニュースに出逢います。国を、世界を変えていこうとする凄い女性がいるもんだ、と驚きを隠せませんでした。
あれから、スーチー女史に関する書物などを読み、ビルマの独裁軍事政権が引き起した悲惨を感じ、胸が張り裂けそうになりました。
そして日本でも遂に上映された映画、The Lady。
映画中はスーチーさんの勇往な行動と、その行動を支えた揺るぎない信念に心打たれ、ずっと涙がこぼれ続けました。民衆は、希望の光を追って、スーチー女史へ殺到します。
どうして、人々はここまでアウンサンスーチーさんのところに集まるのだろうか?
ここまで人を惹きつける求心力は、どこから生まれるのだろうか?
私が書物や映画から学んだことは2点。それは、
1、社会的にも意義のある、崇高な信念がある
2、その信念を貫くための、絶対的なコミットを果たせている
1、については、スーチー女史の行動を見ていれば明らかにわかります。3度の軟禁にも屈せず、愛しの家族と離別してもなお、祖国のために祖国に留まり続けた執念。すべては、ビルマ平和のために全人生を捧げられたほどの強い想いがありました。
そして大事なのは2、ですが、これこそが国民を惹き付け、心を掴んで離さなかった理由ではないかと思います。「コミットメント」という言葉は約束、という意味ですが、「言ったことを必ずやり遂げる」力がスーチー女史にはありました。これは簡単そうで、実に難しく、凡人ならぬ精神力をも要します。
軍事政権の執拗なる圧力に耐え、敵全員に銃を向けられるとも、怯えだに動かない、という有名なシーンがあります。
これは、自分の使命は自分の命を差し出したとしても貫き、「非暴力」で国民の幸せのための活動をやめない「コミット」そのものです。実際、軟禁解放のたびに、動き、啓発を続けました。そして、愛する夫の死に直面しようとも、祖国のために国内にて闘い続けました。(国外に出ると、二度と祖国には戻れないという軍事命令があったため)
スーチーさんを敬い、このパワーを「とどまる力」として、拙著「成功できる人の営業思考 」(PHPビジネス新書)にも私は触れました。
「崇高な信念」は、「コミットし、行動を貫いてこそ」完成する。
スーチーさんの勇往邁進な生き方を感じると、なんて勇気が出ることか!大局的な視野で世を捉え、もっともっと精進せねばと心に誓いました。

