女性営業 人材育成コンサルタント 太田彩子ブログ -105ページ目

人の心がわかる?ニューロマーケティングの可能性

子供の頃、毎週金曜日放送のドラえもんを首を長くして待ち詫びていました。そして何かスランプに陥ったとき、「ドラえもんがいればなぁ」「こんなときにあの道具があればなあ…」とため息交じりに口にした経験は、誰にでもあるものではないでしょうか。


ドラえもんの秘密の道具の一つ「さとりヘルメット」というのがあります。このヘルメットをかぶると、30m以内の人間の心が読めるというものです。これがあれば、授業中の先生の心を読み取って何がテストに出るか前もってわかることができるし、気になってしょうがない片思いの彼・彼女の心をも知ることもできるのです。


一方で私たちは大人になるにしたがい、「知らなくてもよい」必要性も理解できるようになりました。わからないからこそ工夫するし、知らないからこそ好奇心が生まれて発想するようになる。知らないからこそ、幸せなことだってあるし、自由なのです。



しかし、最近は人間の脳をスキャンすることで『人の頭の中をのぞき、本当の願望を読みとる』=ニューロマーケティングという手法が台頭してきているというのです。昔のクーリエ・ジャポン誌をぱらぱらとめくっていると面白い記事が出てきたので一部紹介します。



(何かのニーズを探るとき)、従来の市場調査では、アンケートや消費者を集めたフォーカスグループを使って、新製品に対する反応を探っていた。そうした手法には長所もあるが、致命的な欠陥がひとつある。それは、消費者がどう考えているのか、質問して聴きださなければならないという点だ。

(本文より)


確かに、何か意見を求められると、私たちは肯定的なことや、好感を持ってもらえるような回答を無意識に出してしまうことがあります。さらに、私たちは咄嗟の判断を、直感(=理論で解決できない理由、あとでその判断の理由を尋ねられても上手に答えられない)や感情に潜在的に頼ってしまっている傾向が高いのです。


そこで、同誌によれば、


人間の脳に隠れている情報は、ニューロマーケティングを使えば直接抽出できるのではないか、という期待がかけられている。…人間が経済的決定を下すときに脳内で何が起きているのか解明するために、血流の変化によって脳の活動を記録するfMRI(機能的磁気共鳴映像機)などの技術を利用し、さまざまな驚くべき事実が発見されてきた。


つまり、人の口からは直接出ない、脳内で起こっている「真実」を機械装置によってあぶり出し、「ホンネ」を探り出そうというもの。これは、画期的なマーケティングであることも事実です。実際アメリカでは、このニューロマーケティング会社に調査を依頼して、消費の「ホンネ」を探り出そうとするケースも増えつつあるそうです。たとえば、未来の商品がヒットするかどうかの予測実験でも、直接消費者に尋ねるよりも、人の脳をスキャンしてどこに刺激を受けたのかを記録するほうが効果的だとのこと。


今後の消費マーケティングに神経科学を導入する方法は、未来のマーケティング界を塗り替えて行くものなのでしょうか?すべてが、人の感情に引っ張っぱられることなく、科学的に証明されるものなのでしょうか?


個人的には、社会には合理的なものと、非合理的なものが両立するからこそ、面白いものだと思います。



私も営業コンサルで現場調査で大勢の人のインタビュー調査を重ねたりしますが、本音を話させるまでには時間を要します。これが瞬時で機械的に抽出できればどんなに楽でしょうか。けれど、アナログに何度も対面するから信頼も生まれるし、情熱や愛情は機械的に片づけられないからこそ沸き起こるものだと思います。



鰯雲人に告ぐべきことならず。   (加藤楸邨)



他の人には言えない、やっぱり言わないほうがいい。

そんな曖昧さも時にはあるからこそ、新しい思考や発想も芽生え、人間関係も良好に進むものなのではと思います。