耳鳴りの音は、症状によって音が違って聞こえます。

耳鳴り音によって原因が異なることがあり、一部は緊急性のある耳鳴りを発見する必要もあります。

微妙に聞こえる音感なのですが、自身の病気を把握することが必要ですが。

一部の人は、性格に区分け出来ない方もいるようで注意が必要です。

患者ごとには同じような耳鳴り音を続けて聞いているのですが、かなり多種な音感があるようで。

当初の耳鳴り患者のために、まず耳鳴り音と症状をシンプルに理解するためにまとめました。

耳鳴り音一覧

耳鳴り音	分類	区分
キーン	高音耳鳴り	A
ピー	高音耳鳴り	A
ブーン	重低音耳鳴り	B
ボー	重低音耳鳴り	B
ゴォー	重低音耳鳴り	B
ザー	重低音耳鳴り	B
ブクブク	不定期耳鳴り	C
ポコポコ	不定期耳鳴り	C
コツコツ	不定期耳鳴り	C
ブクブク	不定期耳鳴り	C
ガサガサ	乾いた耳鳴り	D
ゴソゴソ	乾いた耳鳴り	D
シャー	拍動性耳鳴り	E
ジョー	拍動性耳鳴り	E
ドクドク	拍動性耳鳴り	E
ドコドコ	拍動性耳鳴り	E

（A）高音の耳鳴り（キーン・ピー）

耳鳴り音例：キーン・ピー

金属音や電子音のような擬音で表現されることが多く、耳を塞ぐと音が大きくなるのが特徴です。

「高周波音」に明確な定義はありませんが、可聴域の中でも周波数が高いおおむね15kHzから20kHz程度の音が高周波音と呼ばれています。聞こえ方としては「ピー」「キーン」等、電子機器類や機械が発生させる電子音のように聞こえます。

突発性難聴
ある日突然、片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴りやめまいを伴います。
詳しい発症のメカニズムは不明ですが、ストレスが関係して発症すると考えられています。
治療が遅れると、元の聴力が戻りにくくなるため、左右どちらかの耳の聞こえが悪くなった場合は、至急（遅くても症状が現れてから１～2週間以内）、耳鼻咽喉科を受診する必要があります。

メニエール病
突然、ぐるぐる回るような回転性のめまいが起こり、吐き気や嘔吐を伴う病気で、めまいの前後には左右どちらかの耳に耳鳴りや難聴、耳の詰まり感も伴います。
20～50代の女性に多く見られ、通常、一回のめまいは数分～数時間で治まることが多いですが、何度も症状を繰り返すのが特徴です。
内耳の中にある液体量が過剰になることが原因（内リンパ水腫）と考えられていますが、なぜ液体が過剰になるのか詳しいメカニズムは分かっていません。

老人性難聴
加齢が原因で聞こえが低下する難聴で、両耳の耳鳴りを伴うことがあります。
50～60代からの発症が多いですが、中には40代で発症するケースもみられます。
耳の内耳にある「蝸牛（かぎゅう）」という部分の「有毛細胞（音を感じる細胞）」が老化し、壊れてしまうことが原因で発症します。

音響外傷
大音量の音で蝸牛の有毛細胞が障害され、聞こえが低下する難聴で、両耳の耳鳴りや耳の痛みを伴います。コンサート会場のような大音響だけでなく、ヘッドホンやイヤホンを使って長時間大きな音を聞くことで発症する場合もあります。
軽症であれば一時的な症状で回復しますが、翌日以降も耳鳴りが続く場合や、耳の痛みを伴う場合には治療が必要になります。

聴神経腫瘍（ちょうしんけいしゅよう）
神経を包む細胞にできる良性の脳腫瘍です。発症初期から片方の耳に難聴や耳鳴り、ふわふわとした浮遊性のめまいが現れ、時間と共に少しずつ大きくなることがあります。
サイズが小さく、進行が見られないものは経過観察になる場合もありますが、サイズが大きいものや進行性のものは治療が必要となります。

薬剤性難聴
アスピリンなど特定の薬の副作用で耳の聞こえが低下し、耳鳴りやふわふわとした浮動性のめまいなどを伴います。服用開始後、早い時期に両耳に症状が出るのが特徴です。

自律神経失調症
ストレスや疲労、睡眠不足などが続き、自律神経の働きが乱れることで、「キーン」「ピー」などの耳鳴りが起こる場合があります。
一時的なもので、症状がすぐに治まれば心配ありませんが、耳鳴りの症状がストレスになり、つらい場合には治療をおすすめします。

（B）重低音の耳鳴り（キーン・ピー）

耳鳴り音例：ブーン・ボー・ゴォー・ザー

耳が詰まったような感覚（耳閉感：じへいかん）を伴い、耳を塞ぐと音が小さくなるのが特徴です。エアコンの風、ボイラー音のような重低音の擬音で表現されます。

低音の耳鳴りの原因は？

ブーンとした重低音の耳鳴りは、低音の聞こえが悪くなる低音障害型感音難聴や、中耳の周りに障害が起こる中耳炎、耳管狭窄症などによる自覚的耳鳴りが考えられます。また、メニエール病でも発生する可能性があります。低音障害型感音難聴は、内耳のリンパ液や血液の流れが悪くなることで生じ、30代の女性に多くみられる病気です。

メニエール病
回転性のめまいや難聴のほか、患者さんによっては高温ではなく「ブーン」「ザー」というような低い音の耳鳴りが起きることがあります。

低音障害型感音難聴
低い音だけが聞こえにくくなる難聴で、低音の耳鳴りを伴います。メニエール病と同じく、20～40代の若い女性に多く発症しますが、めまい症状がないのが特徴です。突発性難聴に比べると症状が軽く、聴力が回復しやすい傾向がありますが、一度完治しても、ストレスや疲労などにより、繰り返し起こることがあります。

中耳炎・耳管狭窄症（じかんきょうさくしょう）など
風邪などをきっかけに中耳や耳管など耳内の器官に異常が起こる「滲出性中耳炎（しんしゅつせいちゅうじえん）」や「耳管狭窄症」を発症すると、低い音の耳鳴りが起こることがあります。

肩・首の凝り、疲労・ストレス
肩や首の凝り、疲労、精神的なストレスなどにより、低い音の耳鳴りが起こる場合があります。

急な気圧の変化
天候の変化で気圧が急に低下した時などに、低い音の耳鳴りが起こることがあります。

（C）不定期に聞こえる耳鳴り

耳鳴り音例：ブクブク・ポコポコ・グググ・コツコツ

耳が詰まったような感覚（耳閉感：じへいかん）を伴い、耳を塞ぐと音が小さく

耳の周りの筋肉のけいれん
耳の周りや耳小骨（じしょうこつ）の筋肉がけいれんすることで音が発生し、耳鳴りが聞こえることがあります。

筋肉の痙攣鼓膜を引き締める筋肉や、耳の周りの筋肉が痙攣し、これが原因で耳の中で「ポコポコ」「トコトコ」というような音を感じることがあります。

アブミ骨筋と鼓膜張筋は、耳にある筋肉のひとつです。耳の筋肉が痙攣をおこすことで、他覚的耳鳴りを発症。痙攣する原因として、疲労やストレスなどが挙げられます。疲労やストレスで耳鳴りを起こしている場合は、睡眠などで体を休めることで改善する可能性があります。

（D）乾いた耳鳴り

耳鳴り音例：ガサガサ・ゴソゴソ

通常の場合、耳垢が奥にたまらないように自浄作用が働くため、耳垢はたまりづらいです。

しかし、加齢による自浄作用の低下や不適切な耳垢の掃除が原因で、耳の奥まで耳垢がたまってしまい、ガサガサと音がすることがあります。

不適切な耳垢の掃除をした場合、耳垢を奥に押し込んでしまったり、外耳道を傷つけて耳垢がたまりやすくなります。

耳垢が溜まっている時
耳に虫が入った場合
耳の奥にある耳垢や、虫が耳に入った場合などに、ガサガサというような耳鳴りが聞こえることがあります。

（E）拍動性耳鳴り

耳鳴り音例：シャー・ジョー・ドクドク・ドコドコ

拍動性耳鳴りとは、一定のリズムで耳鳴りを感じる病気です。

周りで音がしていないにも関わらず、耳の中で変な音が鳴っているように感じることがあります。

音が伝わる耳から大脳の聴覚中枢までのどこかに異常があると、耳鳴りを感じるようになります。

「ドクドク」など心臓の音と一緒に聞こえる耳鳴りは、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、外リンパ瘻などの病気の可能性があるため、MRIなど精密検査が行える脳神経外科や循環器内科をご紹介する場合があります。

拍動性耳鳴りを改善するためには、拍動性耳鳴りの症状・原因などについて知ることが大切です。

耳鳴りは微妙な音感なので、”自分の音” をハッキリと区分できない人もいるかも知れません。

耳鳴りの90％は悪性ではないと言われていますが、一部は脳からの疾患などもありますので、気になったら検査するべきです。

”耳鳴り音” によっての原因の可能性を把握できることもありますので、初期の疾患の方は、自身の耳なりの音感を理解してください。

耳鳴りの音の分析。