先日、耳鼻咽喉科の医師に診療してもらた後。 「5年後には、AIによる耳鳴り改善器が開発されると思う。」と言う話をしてもらいました。 おそらく、3年後くらいに開発器ができて、5年後くらいには一般的な使用ができるのではないかという。 思わず「本当ですか?」とよろこんでしまったのですが。

 

先日、耳鼻咽喉科の医師に診療してもらた後。

「5年後には、AIによる耳鳴り改善器が開発されると思う。」と言う話をしてもらいました。

おそらく、3年後くらいに開発器ができて、5年後くらいには一般的な使用ができるのではないかという。

思わず「本当ですか?」と喜んでしまったのですが。

 

そして、最新の補聴器はAI機能が搭載されて、かなり高度な機器になっている話をされました。

お話ししてくれたのは、評価の高いアメリカのメーカー ”スターキー” 社AI補聴器。

興味を持って、まず調べてみました。

AI 補聴器の考え方と特徴

必要な音を集中して聴きたい

補聴器は、音を取り込み増幅するように設計されているのが基本です。

私たちの環境にはさまざまな音があって、私たちの耳は必要な音とともに不協和音といえるべき必要のない音も受け取っています。

 

静かな場所で普通に会話ができていますが、カフェやレストランなどでは、音が目的の音から不必要な音に切り替わることがあります。

また、集中して会話をしているときは、周りの音楽などはそれほど気にする必要がないのですが、会話が終わったら、BGMの音楽を楽しみたい時もあります。

補聴器が全ての音を増幅すれば迷惑

補聴器が、耳に入ってくる全ての音を同じように増幅していたら、それは迷惑な装置になってしまいます。

例えば、背景にあるBGM音楽も増幅されれば、会話に集中できず何を言っているの解らなくなって。

誰かが突然掃除機を持ってきて掃除を始めたり、トラックが通り過ぎたり、外に出たとたん、大きな風が吹いてその音も同時に増幅されるのです。

・・・それが、とても昔の補聴器の世界です。

最近の補聴器はルールをコーディング

以前の補聴器は、コンピューティング(コンピューターや相当する他の装置上で命令を遂行する行為)というシステムで、専門のエンジニアが「このような状況には、このように対応する」と言うルールをコーディングしています。

補聴器のプログラミングは、条件文があってそれに対応するように制作されているのですが。

”ある音が聞こえたら、このように音を増減する”と言うように、音に対してそれぞれのルールをたくさんプログラムします。

これが聞こえたらこうする。このパターンがこうだったらこうする。

それを10個のルールで、あるいは100個のルールで。1000のルールを入れて作成します。

AIをどのように活用するか

AIを活用してのマシンラーニング(機械学習)は、人間の入力に基づいて未来の結果を予測するようコンピューターを訓練します。

このAIのパーソナライズ機能が、ユーザー一人ひとりで異なる聞こえを向上させることになります。

機械学習が行われるようになったことで、従来の数と比べて大量のメモリを必要とする巨大なプログラムをデバイスに入れることができ、とてもエキサイティングな開発ができるようになりました。

機械学習アルゴリズムを搭載したデバイスは、何百万もの自動分類を行うことができます。

今、AI 補聴器は、1時間に5,500万回の自動調整を行います。1日装用していれば、毎日10億回の調整もするわけです。

AI補聴器は脳とのコミュニケーション

AI補聴器は、ユーザーが聞きたいと思う音を届けることです。シンプルかつ直感的にその場でコントロールできるようになります。

脳の聴覚機能を模倣することで、雑音の中でも言葉が聞こえるなど、脳の役割の一部を代わりに担えるように考えるものです。

 

会話をしている時は、会話音の音声成分を増幅して、BGMを小さくしたり増幅しないようにすべきでしょう。

そして、話を止めた瞬間には、周囲の音に注意を払うので、そのタイミングでそれらを少し優先させるべきでしょう。

急に外に出たら風切音を自動的に検知して、それを抑制する。

そのような瞬間的な対応が、AI によって可能になったのです。

AI補聴器のメリットを考えると

現在のAI補聴器に、これらの機能を全て利用しているわけではありませんが。AIを使うことによる補聴器のメリットの可能性を記載しました。

自動調整機能

AI補聴器はユーザーの環境に応じて自動的に音質や音量を調整します。これにより、異なる環境(静かな場所、騒がしい場所、会話中など)でも最適な聴覚状況を提供することができます。

背景雑音の削減

AI技術を利用して、周囲の背景雑音を効果的に減少させ、会話の明瞭度を向上させることができます。特に騒がしい場所での会話が聞き取りやすくなります。

個別最適化

個人の聴力データを分析し、個々の聴覚特性に合わせて音質を最適化します。これにより、より自然で快適な音を提供できます。

自動学習機能

使用者の聴覚習慣や環境に基づいて、自動的に学習して適応します。これにより、時間とともに補聴器がどんどん使いやすくなります。

接続性とスマート機能

スマートフォンや他のデバイスと連携することができ、音楽のストリーミング、電話の通話、アプリを通じた設定変更などが可能です。また、AI補聴器はBluetooth接続が可能でとても便利です。

健康管理サポート

AI補聴器は、心拍数や歩数計、アクティビティのモニタリング機能を搭載している場合があり、病状管理にも役立ちます。

翻訳機能

一部のAI補聴器には、リアルタイムで複数の言語を翻訳する機能があり、異文化間のコミュニケーションをサポートします。

通訳してくれる補聴器があれば、ありがたいですね。

ユーザーフレンドリーなインターフェース

多くのAI補聴器は、使いやすいアプリケーションとインターフェースを提供しているので、設定変更やカスタマイズが簡単に出来ます。

遠隔サポート

AI補聴器はインターネット接続を介して、リモートでプロフェッショナルによるサポートや調整が可能な場合があります。これにより、患者はは自宅にいながら医師のサポートを受けることもできます。

 

AI補聴器は、従来の補聴器と比較して大幅な進化を遂げており、患者により自然で快適な聴覚を提供することができるわけです。

AI 耳鳴り改善器について

AIを使用した耳鳴り改善デバイスの情報は、ほとんど見つけることはできません。

補聴器と違って、脳が作り上げる ”耳鳴り音” を消去したり、軽減するというのはとても難しい課題だと思います。

AIを得意としている友人に協力してもらい、一緒に考えてみました。

耳鳴りのAI活用の考え方は、以下のように考えられます。

※写真はイメージです

AIを活用した耳鳴り改善機器の開発の方向性は2方向あると思います。

AIによって、耳鳴り音を発生させている脳のコントロールが出来る機器が開発されば、とても革新的な新機種だと思われます。これが出来ることを私は期待しているのですが。

一方、TRT治療のTCI(tinnitus control instrument:耳鳴り制御機器)であるサウンドジェネレーターがAI化すると言うことが考えられます。

TCIのAI化なら、現在のAI補聴器の延長上の開発として間近に感じられるもの。

この開発は、TRT治療がより効果的に展開するものと考えられます。

AIによる耳鳴り機器の課題

 

個別化された治療

AIは各患者ごとの耳鳴りのパターンや特性を学習し、それに基づいて個別化された治療を提供します。これにより、効果的かつ効率的な治療が可能になります。

リアルタイムモニタリングと調整

AIはリアルタイムで耳鳴りの変動を監視し、患者の状態に応じて治療を動的に調整します。これにより、常に最適な治療が提供されるようになります。

データ収集と分析

AIは患者の使用データを収集・分析して、長期的に治療効果を評価することができます。

このデータは、個人的の治療にも役立つ上に、これらをデータベースに取り込めば客観的に治療法の開発に役立ちます。

現場の治療は個々の記録がされるだけで、それらのデータを通常に集計され蓄積されれば医療研究に大きく役に立つものと考えます。

患者の体験による向上化

AIは患者のフィードバックを学習し、デバイスの使用感や治療の効果を向上させるための調整を行います。患者が継続してデバイスを使用することによって、デバイスの効果が高く向上していきます。

デバイスの利用の流れ

 

AI耳鳴り改善機器が開発されたことを前提に、効果的な治療法を想定してみました。

1)初期設定

・患者ごとの耳鳴りの特徴や生活習慣に関する情報を収集。

・専門医との対応で、デバイスの適合性を確認。

2)デバイスのセットアップ

・デバイスを装着し、患者に合う基本的な音響中心の設定を行う。

・AIが、患者の耳鳴りの特性を学習。

3)日常の治療行為

・デバイスを日常的に使用し、耳鳴りの緩和を図る。

・AIがリアルタイムでモニタリングし、必要に応じて治療を調整。

4)フィードバックと調整

・定期的に専門家と連携し、治療効果を評価。

・AIが収集したデータを基に、医師の判断でさらなる治療の最適化を図る。

5)長期的なケア

・デバイスの使用を継続し、耳鳴りの軽然と共に管理を行う。

・長期的なデータを分析し、新しい治療法やデバイスの改善に役立てる。

 

補聴器のAI化の延長上での ”耳鳴り改善デバイスのAI化” は、現状でも想定されます。

これはTRT治療におけるTCIが高度化するもので、TRTの治療効果がかなり効率良くなるものと考えられます。

きっとTRT治療がの人気が上昇すると予想されます。

でも、TRT治療法以外の新しいメカニズム方で、耳鳴りを改善できるAIデバイスが開発されることを期待しながらまとめました。

興味のあるテーマで、今後も記載させていただきます。