耳鳴りになって、丸2年。 私は、だいぶ ”耳鳴りの先輩” になってきました。 耳鳴りの情報を収集するため、耳鳴り疾患のある方と積極的にお会いした中で、何人かの方に先輩として、患者側の立場で提案をしたことがあります。 あくまでも、同じ耳鳴り患者としてのスタンスであることが前提ですが。

 

耳鳴りになって、丸2年。

私は、だいぶ ”耳鳴りの先輩” になってきました。

耳鳴りの情報を収集するため、耳鳴り疾患のある方と積極的にお会いした中で、何人かの方に先輩として、患者側の立場で提案をしたことがあります。

あくまでも、同じ耳鳴り患者としてのスタンスであることが前提ですが。

 

その一人、昨年の秋に友人の知り合いの紹介でお会いした女性。

「辛い耳鳴り」の状態なのでお話しさせてほしいと言われ。同じ疾患の仲間としてお目にかかりました。

 

その女性から、数日前に電話があったのです。

「おかげさまで大夫よくなったので、お礼にお伺いしたい。」という連絡。

耳鳴り音はあまり変わりがないものの、耳鳴りの苦痛度がかなり治まったという。

「よかったですね。お礼なんてとんでもありません。これからもご一緒に頑張りましょう。」と言って、お話を聞いたのですが。

 

お会いした時の彼女は、睡眠もできない状態で、うつ状態に入り込んでいる酷い状況。

私も、同じ経験があるのでその辛い気持ちをよく理解できたので、出来ることなら協力したい気持ちでした。

でも患者と医師の関係とは違い、同じ辛い思いをしている患者同士の話であることを繰り返し強調しながらですが。

 

その時の彼女との話は・・・

耳鼻咽喉科に行っても、ほんの短い時間しか話ができなくて医師への信頼感も薄れてしまうという。

私たち患者同士のリアルな話は耳鳴りでの深い共有感があるので、一言一言がお互いにしっかり頷けるのです。

そのような話をするだけでも、ちょっとした安心感を持つこともできるものです。

 

多くの話を聞いた後、私の経験から苦痛度を下げるためのいくつかの提案をお話しました。

私自体はうまくコントロール出来ませんでしたが、いろいろな失敗や無駄な時間を費やした経験からの提案です。

 

その時に、3つのポイントをお話したのを覚えています。

⑴ 自分の耳鳴りの不安を払拭

⑵ 信頼できる医師に通う

⑶ 耳鳴りを逸らすこと

これらの内容はこのブログに何度か書き込みながら、私ながら考え方の進化を施してきたものです。

 

⑴ 自分の耳鳴りの不安を払拭する

 

「まず、脳のMRI検査で、悪い病気でないことを確認することです。」と、最初に伝えました。

たまに、悪性な症状から耳鳴りが発生する場合もあるので、「そうでないこと」を確認するためです。

 

デリケートな耳鳴り患者は、これだけの酷い音が鳴っているのだから、悪い病気に罹っているのではないかと心配してしまいます。

耳鼻咽喉科に通っても改善出来なくて、どんどんと不安が増してしまうのです。

 

一部の耳鳴りは、脳の各種部位や聴神経の障害から生じている可能性もあり。

それを払拭するのには、脳神経外科で脳のMRI検査をしてもらうことが大事であることを伝えました。

その疾患が怖いから、治らない耳鳴りの原因を悪性な状態を想定しまうのです。

私は神経質なのか、1度の検査では納得がいかず複数回のMRI検査を複数の医院で検査してもらい、ようやく不安が払拭できました。ここまでしなくても普通の方は払拭できるはずですが。

[ 彼女への提案 ]

最近はMRIの検査機が準備されている脳神経外科のクリニックの多い。

耳鼻咽喉科からは、あまり検査を施さない。それは悪性の可能性が低いからだ。

でも ”そうでないこと” を確認するために検査するべきであることを伝えました。

「もちろん、悪い病気である可能性はほとんどないですが。」と付け加え。

 

その場で、彼女の近くの脳神経外科をネットで見つけて、すぐに行くことを提案しました。

数日後に「異常はありませんでした。悪性の耳鳴りでないことが解り、とても安心しました。」と電話がありました。

この行動で、精神的な不安は払拭されたはずでしょう。

⑵ 自分が信頼できる医師に通う

 

耳鳴り患者は、ドクターショッピングが多いと言われている。

少しも改善しない状態で精神的に悪化傾向になる状況では、通院している医師に対して信頼感を失せてしまいます。

私も何箇所かの耳鼻咽喉科を回って、今の医師たどり着き通院している状態です。

 

私が考えるドクターの選び方は、まず ”耳鳴り” 専門医であることだ。

耳鼻咽喉科医はその範囲の治療は全て対応できるものですが、耳鳴りは苦手であるという医師もいる。

各医師ごとに得意分野があるわけで、患者からはより耳鳴りに精通した先生に治療してもらいたい気持ちになります。

ホームページなどで、耳鳴りの専門医であるかを調べるとある程度判断が出来ます。

 

そして、大事な治療行為は ”教育的カウンセリング” があること。

耳鳴り治療のガイドラインには、”教育的カウンセリング”の必要性を記述されているのですが。

実際多くの医師は、このような治療行為はしてくれない。

患者は、解りにくい自身の耳鳴りの状況を詳細に解説してもらうことが、極めて大事であるはずです。

[ 彼女への提案 ]

信頼できる医師を選ぶのは、私の経験からもかなり難しい課題。

彼女も、どこに行くかを判断できない状況でした。

大きい病院が良いのかと聞かれると、確かに大学病院は ”耳鳴り” の専門医が存在しているし、検査も充実している。

でも、私は大学病院での治療には教育的カウンセリングもなかったし、TRTの試用の時もカウンセリングのなく不満を持ったこともある。

結果、私が通っているドクターの医院が彼女の居住地にとても近いためご紹介しました。

そして、教育カウンセリングに出てくる耳鳴りのメカニズムを、事前に一説明をして。

 

医師に通うことになって、充実した検査に加え教育的カウンセリングも受けたという連絡があって。信頼感を持って通えることが、精神的な苦痛が軽減したような気がすると伝えられました。

⑶ 耳鳴りを逸らすこと

 

精神的な負担を感じる耳鳴り患者に対して、医師は「気にしないように」と必ず言う。

私もその言葉から、幾度も ”気にしない” ように努力したのですが。返って耳鳴りを強く意識してしまう。

精神的な苦痛のある耳鳴り患者は誰でも「気にしない」ことができないと方が多いと思われます。

「気にしない」と脳で考えると、ますます脳は覚醒して。

ある程度以上の苦痛度を持った耳鳴り患者には「気にしない」ことが出来ないことを実感しているはずです。

 

耳鳴りから意識を逸らすとは.......

耳鳴りは、”気にしない” ではなく”逸らす”こと。

すなわち ”気にしない” ように脳に努力を求めるのではなく、気にしないための生活行為をするということです。

 

耳鳴りを気にしないための行動

耳鳴りを気にし過ぎず、日常生活の何かの行動に集中することが大切だと思います。

人それぞれ個性、生活によって、”気にならない行動” は異なりますが。

[ 彼女への提案 ]
彼女は趣味で絵画を描いているようで、家にも小さなアトリエの部屋があるそうです。

でもアトリエに入ると耳鳴りが集中してくるようです。

音楽を聴きながら絵を描くことによって、耳鳴りの音が紛れる可能性はあるのですが、一人の部屋にこもることは逸らすことが出来ないと考え。

屋外で描いたり、複数の方のいるアトリエに行くことを提案しました。

 

そして、何かスクールに通ってみたいとの考え方から。

ヨガにしようか、軽いダンスにしようかの話の中で、多数のメンバーがいるダンススタジオに通うことになったようです。

 

何かに集中すること、そして一人にならないことが ”耳鳴り逸らし” にはとても良い行為であることをしっかり伝えました。

 

知り合いのアトリエに通って同じ趣味の何人かで絵を描く環境で、周りに人がいること、会話があることが耳鳴りを避けることができるようになったようです。

そして、週に数回ダンススタジオで音楽や周りの人との会話の中で汗をかいている時間は、ほとんど耳鳴りを逸らすことができていたようです。

 

家に帰れば、耳鳴りの不快音は聴こえるものの、その時間が短くなることが精神的苦痛を減少したと言っていました。

半年で、彼女は苦痛度が極めて軽減した

半年前に彼女と話した時は、THI検査も経験がなかったようで。私の作ったTHIのサイトで検査をしてもらいました。

その結果は、"72"で耳鳴りの苦痛度は極めて重症でした。

そして今は”18”になっているようだ。この数値なら耳鳴りを我慢できて平常な生活に戻ってきたはずだ。

今は知り合いのアトリエから自宅に戻り絵を描いていても、耳鳴りは聞こえるけれど趣味に集中出来ているようです。

 

私自身は人一倍苦労して、努力して苦痛度を1年半かかってようやく改善してきた経緯があります。

彼女が半年で同程度の改善傾向があったのは、明らかに効率の良い生活と治療をしたものだと思う。

素人の私の提案が全てに効果があるものではありませんが。でも、ヒント程度に役に立ったのだとすれば嬉しい気持ちです。

そして、思うのです。

耳鳴り患者に対する ”生活と治療” をコンサルできる本格的なプロがいれば、無駄な行為をしないで、とても辛い耳鳴りの改善に大きな力になってもらえるのではないでしょうか?

耳鳴りのプロのコンサルがいれば

耳鳴り改善のプロのコンサルがいて欲しい。

耳鳴り患者は、結果的に自身で長い期間辛い思いをしてどうにか落ち着いてくる疾患。

経験のない疾患にかかり、右往左往しながら時間をかけて改善しているのです。

それを、改善効果の可能性を提案してくれたりヒントを出してくれる ”コンサルタントドクター” が存在すれば、どれだけ患者は穏やかに治療できて、より短期間で苦痛度を軽減できるだろうと考えるのですが。

 

沢山の耳鳴り関連本はありますが、これらは医師側からの学問的な内容がほとんど。

多くの情報を読みましたが、改善生活や治療を促すヒントは見つけることができませんでした。

耳鳴りを経験した人が、共感できる気持ちで教えてくれる情報があれば、多くの耳鳴り患者が少しでも効率よく改善できるのだろうと思うのですが。