The 青空。

 

快晴の秋を楽しもうと、オープンカフェに。

以前行って、お気に入りになった東北沢と下北沢の間にある "SIDEWALK COFFEE" 。

ちょっと遠いいけれど、この日の空を楽しむのはピッタリのカフェなので。

ノートPCを持って仕事半分で出かけた。

元小田急線の線路上を開発した空間は、大変静か。

ほとんど音のない環境。

 

 

 

暖かいアメリカーノを注文して、屋外のデッキベンチに座った。

青空を見上げた後、軽く目を閉じた。

瞑想しているイメージで。

 

やはり、わずかに低い耳鳴りは聴こえる。でも、わずか。

ほとんど音のない環境で、小さく鳴っている。

指で耳を塞いでクルクル動かすと、一瞬消えるくらいの音。

瞑想の気持ちで、あえてその音に集中することにした。

 

 

背中の方から陽射しが当たってくる中。

そよぐ風が通り抜ける音が微に聴こえると、一瞬耳鳴りは聴こえなくなる。

風の流れの音が快い。

 

香料が香ってきた。私も以前使ったことのある香。

薄目を開けると、デッキベンチの少し離れた場所に背の高い男性が座った。

静かな環境は、香りもデリケート。

 

木製のウッドデッキの階段を登ってくる足音。

この音でさえ、耳鳴りを忘れる。

 

飛行機が頭上を通り過ぎていく。

快晴の空から聴こえるその音は、不快に響いてこない。

秋の青空からの音だ!

 

飛行機が飛び去った後、小鳥のさえずりが残っていた。

近くの木で遊んでいるのだろうか。

楽しげなグループの鳥たち。

 

遠くから聴こえてくる犬の鳴き声。

語りかけてくるように聴こえてくる。

 

周りの音がわずかでも聴こえてくると、その音に集中できる。

 

コーヒーを飲み終えるまで、"音のドラマ" を穏やかに楽しんだ。

耳鳴りが無ければ、もっと幸せなのにと思った。

 

いや、違うかも!

今、耳鳴りがある自分だからこそ、”音の世界”に、新鮮な気持ちで集中できているのだろう。

耳鳴りのない方より、”音の流れる時間の美しさ” を、より大切に感じ取れているのかも知れない。