中学校へ入る頃に、ようやくポワント許可をいただいた私。身長の伸びも体重の増加も、ほぼ止まり、晴れてポワントクラス参加の機会を貰えました。

まず、10歳前後の子が多いポワントクラスに行くのが恥ずかしかったです。早い子なら小学3年くらいで履き始めていましたし、皆小柄で軽い子ばかりなのです。体つきは大人に近くなっていたので、1人だけ飛び抜けて大きいのです。場違い感がハンパない。
そして、大きくなった体をポワントを履いてコントロールするのは至難の技でした。というか、できませんでした。

バレエシューズでできても、ポワントとなると話は全く違ってきます。思い通りに動けないのです。ある程度、ポワントワークができるようになるまで、それ相応の年月が必要でした。
身の軽かった子達は、私より先に上達していき、同じようにできるまで、私は2倍以上の時間がかかりました。生来の不器用さに体の大きさが加わって、体幹のコントロールに苦労しました。ありがたいことに、あまり家に寄り付かなかったわたしには、練習時間はありましたので、居残りの稽古ができたのはありがたかったです。
もっと早くに履き始めていれば、、、と思うこともしばしばでした。先生は恨んではいけないのですが、愚痴の一つも言いたくなる気持ちは常にありました。

ただ、今になって感謝しています。
骨にある程度の強度がついていたのでしょう。あの頃、無理もして稽古したはずなのに、外反母趾に代表される足の変形が全くないことです。今でも、大抵の靴は無理なく履けます。履いた足の形に靴が変形することもありません。ネイルこそしませんが、サンダルもミュールも履けます。
当時も、サイズアウトでポワントが履けなくなることはなく、大抵潰れて(靴の強度がなくなって)履き替えることのできる、経済的な足でした。

バレリーナになれるとは、これっぽっちも思っていませんでしたし、先生も我が家の事情はご存知でしたので、私を無理にコンクールクラスなどには加えませんでした。(田舎なので、コンクールに出るとなると、長期に渡っての宿泊が必要など、家系の負担は大きいですし、サポートに母親の力が不可欠です)ポワントも無理に履かなくてもいいと思っておられました。
その時だけでなく、長い目で私の人生を考えながら教えてくださり、本当に感謝しています。


ポワントの種類は色々。私の愛用のポワントはグリシコ2007です。最近のグリシコは音がわりと静かになりましたよね。ポワントショップで有名な、けいとうのご主人に勧められて履くようになりました。