穏やかないい季節がやってきました。
イタリアを旅するのにお勧めの時期です。


今日は忘れられないエピソードを一つ。


今から7年前のこの時期、両親と3人で最初で最後のイタリアを旅しました。
ツアープランナー、ガイドは私。 母の抗がん剤治療の合間を縫っての企画、
余り無理はさせられないけれど、イタリアの魅力を出来るだけ伝えたい。。


実は、ちょうどイスキア島に滞在する日が母の日(Festa della mamma)なので
どうしても何か特別なサプライズをしたいなと考えていました。


初日の夜たまたま訪れた海岸沿いのPizzeriaが とても感じが良いお店だったので、
母の日企画は、同じ系列のRistoranteにお願いしてみようと

翌日の昼 母に怪しまれない様にこっそり一人でそのレストランへ。

こんな風に感じたままに行動すると、必ずhappyが待っている。

それを教えてくれたのがイタリア。


店の前でスタッフ全員がお昼休みでまどろんでいるところに、直談判。

”母の日のお祝いをしたいのだけど何かいい案はあるかしら?”

大の男達があっというまに私を取り囲み

”なんだなんだ” ”母の日か!それはいい!”

と親身になってくれる。 嬉しい。。 

結局 小さな(手のひらサイズ)のケーキを作って貰うことに。


ドルチェ担当の加えタバコのおじちゃん。
”小さいヤツだろ? 俺に任せとけ”

・・・何か不安だ。

”これは母には内緒だから、くれぐれもばれない様に。” と念を押すと 皆、悪がきの顔をして

”判ったって。まかせとけったら”

と 笑う。


・・・やっぱり 不安だ。


ついに 夜。 時間になり店に入ると ウエイターのおじさんがニヤニヤと
”やぁ、いらっしゃ~い”とウインク。


そして大声で

”母の日の日本人が来たぞ~” と奥のスタッフ全員に声かけ、かわるがわるスタッフがニヤニヤと顔を見せに来る。


”何だか愛想のいい店ね。” と母。


飲み物を選ぶのに悩んでいると、先程のウエイター、
”母の日のお祝いなんだから、やっぱりシャンパンだろう~?”


”だから 内緒って言っただろうが~!”と目で訴えると
”あっ” とおどけたように口を押さえる。


・・・やっぱり不安だ。


前菜、シーフードトパスタ、ひらめのソテーどれも素材の風味が生かされていて
どれもとっても美味しかった。 特にパスタ、日本でトマトソースのパスタというと
トマトのソースが主張しすぎていて、素材が生きていない物が多いけれど
少量のトマトとオリーブオイルだけ。 でもしっかりトマトの味が生きていて
シーフードの風味を壊していない。 
家族みんな大満足。ただ、私が不安だったのは、その量。
敢えて3品しか頼まなかったのに(事前に何度もその量を確認したのに) 

イタリアではありがちですが全て恐ろしいほどの大盛。 

”デザートはいらない” と父・母。


・・・まずい! でもそれは私も同じ気持ち。 とてもじゃないけど例え小さいデザートでも入らない・・。
少し胃もたれまでしてきたので、気合を入れる為、化粧室へ。
何とか小さいデザートなら入るかなという調子に整えて戻ってきた私を、ウエイター3,4人が手招き。
しかもその前には 目を疑うほど大きなケーキが・・。 直径20cmはある。

ま・・・・まさか?


小型花火まで装着されていてGrazie mammaとメッセージが書かれている。。


”どうだい?力作だぜ。気に入ったかい?”

私の喜ぶ顔を期待している皆の笑顔を見て まさか本音はいえまい。
”ありがとう、すごくステキ”と告げたもののそこから席に戻るまで、どんなに足が重かったか。 

結局、両親があのケーキを見た時のショックを和らげる為 先にネタ晴らしをすることに。

父母が”え・・・ガーン”と動揺する間もなく、スタッフ3人がかりでケーキが運ばれた。
しかも レストランで一番 ”歌が上手” というウエイターが
Mammaの歌を大熱唱。 隣近所のお客様からも”おめでとう”の拍手喝采!!


母はケーキの大きさにひるみながらも、皆の暖かい気持ちに感動し
真っ赤に高揚していた。普段はひねくれものの父も、心から感動している。

Che sara’ la mia vita?


ケーキは甘すぎず軽やかで最高に美味しかった♪
でも 店中のお客様におすそ分けしても、半分以上余り
持ち帰ったけれど、翌朝全員胃もたれして食べれなかったので
ホテルの人に渡してきてしまいました。 残念・・・。