3年前の今日、ママの呼吸が止まった。
パパはあのとき、もう諦めていた。というか、死んだものとして扱っていたかも知れない。
実際、定義によってはもう死んでたんだから。その定義をパパは前から受け入れていたから。
だけど、君は諦めていなかったんだと思う。呼吸器とかの機械の数値が変わる度に心配そうに大丈夫なのか尋ねてきたからね。
単に知識が無かったからなのかも知れない。でも、今考えると、もしかしたら君の方が正しかったかも知れないとも思う。
意思もないし、反応もしないけど、温かくて柔らかい、触れられる存在があるという、それだけでもいいんじゃないかと思う。
その一方で、今でも脳死での臓器移植はするべきと思う。脳死は人の死と捉えられない人がいるのを不思議と思ってたくらいだし。
でも、3年目にして、改めて君の行動を思い出すと、君と一緒に生き返ってと祈ってても良かったんじゃないかと思った。