7月21日午前0時。
横になると苦しいと言って眠れなかったブンちゃん。
オキシコンチンを10mg飲んでようやくウトウトしたので
私も軽く仮眠をとることに。

午前2時。
ふと目が覚めるとブンちゃんが起き上がっていた。
ああやっぱり眠れないのかなあと思いながら
睡魔に襲われかけたけどどうも様子がおかしい。

座ったまま横に倒れ、ベッドの端に頭が当たる音がして
慌てて飛び起きてみると
鼻の酸素チューブが外れて意識がもうろうとしていた。

驚いて起こし上げ鼻にチューブをつけ
「大丈夫?!」と声をかけると

「…苦しい」

急いで看護師さんを呼ぶ。

かけつけた看護師さんがブンちゃんをベッドに寝かせて
酸素マスクをつけ、酸素量を上げてくれたけど
呼びかけにもあまり応じない。

ご家族をお呼びした方がいいだろうと言うので
双方の家族に電話をかける。

こんなときが来るだろうとは思っていたけど
予想以上に早くて気持ちが全くついていけない。
心臓がバクバクして身体の震えがとまらなかった。

午前2時30分。
ブンちゃんの家族が到着。
お義母さんの声かけにふっと目を開いて反応する。
見えてるのか、分かってるのかは分からない。
全身に汗をかいているのでお義母さんと二人で拭く。
その後はじっと手を握っていることしかできない。

その後、私の家族や親戚が到着。
声かけには反応するけど、やっぱり意識は戻らない。
かける言葉が見つからない。
がんばってなんてもう言えない。
逝ってほしくない、でももう苦しませたくない。

下顎呼吸がゆっくりになってきた。
手足をさする。額の汗を拭う。
まぶたの乾きを防ぐために、開きかけた目を閉じさせる。

午前7時。
心臓の乱れが激しくなったようで
看護師さんたちが心電図を病室に運んできた。
心拍数が下がるとピッピッピッとアラームが鳴る。

お義母さんが「ブン!起きんね!」と声をかけると
心臓の動きが少し早くなる。
ブンちゃんの心臓も呼吸も、何度も復活する。

生きたい。もっと生きたい。
身体全体がそう言っているようだった。

何度か止まりかけた心臓が
最期の一鼓動を打った後、
静かにブンちゃんは息を引き取りました。

午前7時37分。逝去。

ずっとずっとこらえていた涙があふれ、
告知されて以来初めて声を出して泣きました。
胸の奥から絞り出る嗚咽。
朝の病院じゅうに響き渡ったと思います。
平成22年7月21日午前7時37分
ブンちゃんが旅立ちました。

ずっと家に帰りたがっていたので
当日は我が家で仮通夜を行いました。
たくさんの人に見守られながら
ようやく安らかに眠ることができたと思います。

家に帰ってきたブンちゃんは
本当に眠っているように穏やかな顔で
時間とともにだんだん笑顔になってきて
訪れた人がみんな驚くほどでした。

告知から4ヶ月。
あまりに早い旅立ちですが
今は苦しみから解き放たれて
自由に飛び回っていると思います。

応援メッセージをくれた方々はじめ
あたたかく見守っていてくれた皆様
本当にありがとうございました。
心からお礼申し上げます。

私の心の整理がつくまで
もう少しブログを続けたいと思いますので
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

エル
昨日から少しきつさが増して来たブンちゃん。

横になると痛みときつさがひどくなるようで
テーブルに突っ伏して苦しさを紛らわせています。

あんまりしんどそうだから看護師さんに何か処置をお願いしたら
頓服としてデパスを処方されました。

痛み止めというよりは、不安や緊張を和らげるものですが
少~しは効いたようで
「バナナが食べたい」と珍しく食欲が出たようです。

入院する前から食欲というものがごっそり落ちてて
苦しそうにおかゆばっかり流し込んでいるブンちゃん。
少しでもいいから栄養のあるものを食べてほしいんだけど
何を持っていっても食べてくれませんでした。

この機会に明日から野菜&果物ジュースを作って
強制的にでも飲んでもらおうと思います。
今日はブんちゃんの会社の友人たちが
会社帰りにわざわざお見舞いに来てくれました。

肺がんを告知されてからずっと
自分の家族のお見舞いも断ってきたブンちゃんですが
一番仲のよいYさんが、仲間を連れて突然の襲来w

最初は驚いて涙をぼろぼろこぼしていましたが
久しぶりにブンちゃんの笑顔を見ることが出来ました。

1時間半ほど談笑して過ごしましたが
みんなが帰った後はさすがに疲れたみたいでぐったり。
でもとても楽しかったようで私も嬉しかったです。

昨日、今日とずっとふたりで病室にいましたが
お互いに胸のうちが分かりすぎるのであまり話すことがありません。

聞いておきたいことはたくさんあるんだけど
今はまだその時期じゃないような気がして聞けません。
ブンちゃんが旅立った後のこととか余計に聞くのが辛くて
お互いどうでもいい話ばかりして避けてる感じです。

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ブンちゃんは今は痛み止めの薬を飲んでいるので
以前のように痛みを訴えることはあまりありません。

息苦しさも吸入器のおかげでかなりよくなったようです。
血中酸素濃度は今日は96%ありました。よかったよかった。

今日みたいに楽しそうに笑ってる姿を見ると
もしかして奇跡が起こるんじゃないか
このまま少しずつ良くなっていくんじゃないかって気がして。

ブンちゃんは、どうせ良くならないんなら
お見舞いとか辛くなるだけだからイヤだと言うんだけど

私としては一人でも多く、お見舞いに来てほしいなと思います。
11日の夕方、どうにも息苦しさがおさまらなかったので
病院に連れていったところ、血中酸素濃度が87%でした。
97%以上が正常値で90%を切るとかなりヤバイそうです。
でも酸素吸入をしてもなんとか93~94%までしか上がりません。
毎日「キツイキツイ」と言っていたのも無理ないです。

低酸素状態が続くと、心臓が止まってしまうこともあるそうで
今のブンちゃんはいつ何が起こってもおかしくないと
先生に言われました。

その日は酸素吸入と点滴をして帰りましたが
やっぱり息苦しくて眠れないらしく
次の日の朝、とうとう入院することにしました。

急な入院だったので個室しか空いてなかったのですが
個室の方が精神的にも全然いいのでむしろラッキー。

と思って案内された個室は、VIP室みたいで
広い室内に大きなプラズマテレビ、革張りソファに机、
小さなキッチンとお風呂、洗面台、クローゼットまであって
病室とは思えない室内に正直ビビってしまった私たち。

他の部屋が空いたら替えてもらおうと思っていたのですが
さすがVIP室なだけあってものすごく快適なのです。
24時間いつでも面会可能だし、付き添い用のベッドも貸し出し可能。

何より静かで、部屋の温度を自由に変えれるのがうれしいです。
最近のブンちゃんは暑さ寒さに敏感になっているので
そのときどきに一番快適な温度を求めてきます。
大部屋だとそうはいかないもんね。

差額の部屋代はかなり痛いけど
少しでも快適に過ごしてほしいので、部屋は替わらないことにしました。

また、病院側の尽力によって
来週末までには緩和ケア病棟に入れることになりそうです。
それだけブンちゃんの状態が大変だということなんだろうけど。

ブンちゃんが24時間酸素吸入をしないといけない状態になったので
会社に報告して、今日からしばらくの間休むことにしました。

忙しい時期に会社に迷惑をかけてしまうのはほんとに心苦しいけど
今は少しでも長くブンちゃんのそばについていてあげたい。

トイレに行くだけで息切れしてぐったりしてしまうブンちゃん。
見てるのも辛いし、ここ数日は涙腺が崩壊していて
車の運転をしていても涙がぼろぼろこぼれてきます。

今日、一人で家に帰ってきたとき
もうブンちゃんがこの家に戻ってくることはないんだと思うと
あちこちにブンちゃんの残像を探して胸が痛いです。