実家の隣の美容院には「コリ」という犬が飼われていた。
顔が美容院のオヤジにどことなく似ていてちょっと怖かった。
俺は特に「コリ」が好きではなかったけれど、「コリ」は時々
お菓子をやる俺になついていた。
ある日、お菓子をもって実家を出たら、すぐ「コリ」がやってきた。
当然そのお菓子をもらえるものと本人、じゃなくて本犬は思っていた。
でも、そのお菓子は俺の大、大、大好物だった。だから、「おすわり」と
言った後で「お手」を要求した。「コリ」はその通り俺の命令に従った。
しかし、そのお菓子はたったそれだけで「コリ」に与えるには
十分じゃなかったので、お菓子の袋を口にくわえて、「こっちも
お手」と両手のお手を要求した。(子供の頃の話で両手のお手なんか
出来ないとは思わなかった)
そうしたら「コリ」のやつ、「ワンワンワン」と吠えて、俺の鼻をかじって
どこかへ行っちゃった。
俺は泣いて家に戻り母親に薬を塗ってもらった。これ、実話です。
犬に鼻を噛まれたなんて格好悪いから今まで誰にも話さなった。