「僕らが生きている間に持つ感情は、愛ではなく全て恋にすぎないのかもしれない」
このセリフが、異常に心に残っています。
野島伸司氏の小説です。
ものすごく、詩的な。
究極に美しいラブ・ファンタジー。
「君の苦しみの全てが、僕の苦しみなんだ。
君の悲しみの全ては、僕の悲しみ。君の寂しさの全ては、僕の寂しさ。
そして、君の喜びの全てが、僕の喜びになる。
だから、あらゆる種類の君の幸福を支持する」
こんなセリフ、一生に一度でいいから言われてみたい・・・
いや、一度でいいから言われたことのある人に会ってみたい(笑)
途中からの展開は完全にファンタジー。
私の苦手な分野なのですが、すんなりと入ってきました。
表紙裏のあらすじで感じたイメージとは、まるで違う話です。
俗に言う悲恋を、美化した物語だとバッサリ切り捨て、“永遠”を否定する。
こんな物語の、どこが究極に美しいのか?
生きている間に愛は存在し得ない。
だから、タルトとクッキーが杏に対して見せたのは、命を賭けた無償の愛――。
この愛を美しいと言わずして、一体この世に何があるというのか・・・。
そう思わされる、一冊でした。
ただ、長さ的に、『スヌスムムリクの恋人』ほどの読了感はありません。
詩集みたいな気分で、手にとってみて下さい^^