Soliloquy Alphabetical -5ページ目

Soliloquy Alphabetical

So beautiful if everything is alphabetical.



聞こえる

届いている

風に消えない想いが

雨に濡れない響きが

弧を描いて

輪を作って

わたしの耳の鼓膜にも

跳ね返って鳴っている




量を取るのは真似事

質を取るのは綺麗事

わたしはどちらだろうか





あの時の思い出を描いてと言われても

自分を正しく描くことは誰も出来ないだろう




雨が落ちるこの街から

春は左手を振って去りゆき

傘とバッグで両手の塞がった

独り言しか言えないわたし


もう一回季節が巡ると

暑い夏が来るなんて考えたことも無かった

季節も空も何もかも

いつだってイメージの陰影


わたしは一人になってしまった

大好きな人はいなくなってしまった

あの頃に戻りたいのは誰だって

オリジナルを愛するのはわたしだって






雨音

救急車

秒針

人の願い